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「人生100年時代」に思う

「人生100年時代」に思う

「人生100年時代」という言葉は浸透していますが、日本は100歳以上高齢者が71,274人。今回、年賀状喪中欠礼の葉書を見ても、「母が100歳で永眠…」という人が出てきました。10数年前になりますが、夫の祖母は100歳まであと数日という99歳で永眠、数え年でいえば立派に100歳でした。

よく話に出てくる「サザエさん」。1960年代の日本をよく表しています。おじいさんの浪平:54歳、おばあさんのフネ:50ン歳 サザエさん:24歳、タラちゃん:3歳。今ならもう1世代、いえ、場合によっては2世代上の100歳位の曽祖父母(サザエから見て)がいても不思議ではないことになります。浪平、フネの50代は、今や働き盛り。半世紀前の日本は、なんとものどかでほんわかしていた、古き良き時代だったのだなぁ~と思いながら見ています。

日本の高齢化の始まりは1970年(昭和45年)。高齢化率7%を超え「高齢化社会」に突入した年です。

ちょうど大阪万博が行われ、私も親に必死にお願いして連れて行ってもらいました。岡本太郎の太陽の塔、アメリカ館の月の石と宇宙遊泳の展示。ソ連館のまばゆい宝石の数々、オランダの風車、子どもながらに飲んだブラジルコーヒーの強烈だったこと。古き良き思い出です。

その後、老人医療費が無料化となり、診療所や病院は高齢者であふれ、ある意味、病院の待合室は高齢者のサロンと化していました。あの当時耳に挟んだ会話が忘れられません。

「明日、体調悪くなかったら、また来るから… じゃあ、明日ね。」とニコニコバイバイしてご帰還のおばあちゃま達。考えてみると、今の私の年齢とさほど変わらないのでは。いえ、もっと若かったかも。(ドキッ)いい、悪いは別として、65歳以上高齢者が7%台に突入していたとはいえ、医療費の増大化がこれほど深刻になるとは考えていなかった時代でした。

ベトナムが2017年に高齢化率7%を超え、高齢化社会に突入したところです。2人乗り・3人乗り自転車がエネルギッシュに走り回る、若い人が多い国というイメージです。日本は高齢化においては世界の先進国で、アジア諸国の未来像です。

現在は高齢化率28.4%。世界で最も高齢化が進んでいます。希望しても全員がピンピンコロリで逝けるわけではなく、要介護になり長生きしている人が多い国というのが正確な表現なのかもしれません。(85歳以上の約6割が要介護)

「健康寿命を延ばす」対策が各地で推進されており、個人ベースでも介護予防に努めなければなりません。これまでと異なり、病院は病気を治してもらう、救ってもらうところではなく、病気は治せないが病気とともに生きるために癒してもらう、支えてもらい看取ってもらうところという発想の転換が必要です。急性期病院での入院日数は短くなり、退院して自宅に戻るのが困難なら、地域包括ケア病棟、リハビリ病院、介護医療院への転院も考えなければなりません。

11月28日、厚生労働省より2018年度「介護給付費等実態統計」の結果の取りまとめが公表されました。これに寄れば、2018年4月~2019年3月の介護保険サービス及び介護予防サービスの受給者数は597万人超。自己負担額を含めた介護サービス費の総計額は初めて10兆円を超えたとのことです。日本の社会保障給付費は約120兆円なので、約8.3%に相当します。日本の人口構成、長寿化から見れば、これからまだまだ増大化していくのでしょう。

人生100年時代。大家族に見守られて暮らしていた昔の日本に戻ることはできません。私たち一人ひとりが介護予防に努め、支えあいながら、自分らしい生活を続けていく。

それが、国としてめざしている「住み慣れた地域で、医療・介護・地域の人々の連携に見守られて最期まで暮らしていけるような『地域包括ケアシステム』の進展」に繋がっていくのでしょう。

岡本典子

岡本 典子 (おかもと のりこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)、1級ファイナンシャルプランニング技能士、住宅ローンアドバイザー、「終のすみか探し」コンサルタント

両親の高齢者向け住宅への住み替えをきっかけに、『高齢期の住まい』に着目。東京・神奈川を中心に、介護付き有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、特養、グループホームなど、200ヶ所以上を訪問。シニアライフを安心・安全・安寧にすごせる「終のすみか」探し・住み替えコンサルティングに力を注いでいます。昨今は「高齢者向け施設・住宅のセミナー&見学会」の講師や、見学同行・ガイドでも好評を得ています。

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