親の介護・相続と自分の老後に備える.com親の介護・相続と自分の老後に備える.com

公的年金は増額できる!

公的年金は増額できる!

公的年金の繰り下げ受給はご存知ですか?

老後生活資金で大きな収入は公的年金です。限られた年金額を増額する方法があります。

公的年金の受給開始は原則65歳からですが、60歳から70歳の間で年金受給開始を自由に選択できます。公的年金を増額するには「繰下げ受給」にすることです。手続きは不要で、65歳になった時点で受給の手続きをしなければ、自動的に繰下げ受給となります。

66歳から70歳の期間で実施できます。増額率は0.7%/月です。

例えば70歳からの受給開始を希望すると、増額率は0.7%×12ケ月×5年=42%増です。

66歳からの受給開始では8.4%、67歳から16.8%、68歳から25.2%、69歳から33.6%という増額率となります。

65歳からの老齢基礎年金額は2019年4月分からは780,100円(満額)ですが、5年後の70歳からは780,100円×142%=1、107、742円で年間約327,642円の増額となります。

長く働きながら年金受給開始年齢の選択も!

もし、老齢基礎年金をそのまま預貯金で5年間貯蓄すると5年間ではいくらになるでしょう?

現在の低金利で預貯金の金利は0.001%?0.35%です。年間7.8円?2,730円のプラスしかなりません。また、年金増額分は投資信託等では約7.27%の利回りで、「iDeCo」や「つみたてNISA」の平均利回りは約3%前後ですので、高利回り商品といえるでしょう。

なお、老齢基礎年金のみを70歳から受給しようとした場合、5年間、基礎年金は受給できませんので、65歳?70歳の5年間分の老齢基礎年金額約390万円の生活費を確保はしておきたいものです。

今話題の老後資金不足2,000万円問題も、この「繰下げ受給」を利用することで不足分は毎月27,697円となり、老後30年間では半減の約1,000万円となります。さらに65歳から5年間、長く働きことができれば、この不足額も解消します。(※健康寿命は75歳前後と言われています)また、長寿リスク等の費用(介護等)などにも回すこともできます。

繰下げ受給にかかる注意点

注意点には次のようなものがあります。

・老齢基礎年金(国民年金)と老齢厚生年金は別々に請求が可能です。共済組合等から支給される老齢厚生年金(退職共済年金)がある場合は、日本年金機構から支給される老齢厚生年金と同時に請求を行う必要があります。

・振替加算額は、増額されません。また、待機期間中は、振替加算部分のみを受けることはできません。

・老齢厚生年金を繰下げた場合は、加給年金額は増額されません。また、待機期間中は、加給年金部分のみを受けることはできません。また、遺族厚生年金も増額しません。

・繰下げ請求は、65歳に達した日以後に年金の受け取りに必要な加入期間を満たして老齢基礎年金を受ける権利ができた方で、請求を予定している場合は、その受ける権利ができた日から1年を経過した日より後に繰下げ請求ができます。

・増額で年金額が増えた分、収入増により税金・社会保険料(健康保険料、介護保険料)が増えるため、増額率42%の額より低めの額となります。

・在職中の方は、在職老齢年金制度により、調整後の年金が増額の対象となります。

・年金請求には5年の時効があります。

損益分岐点は何歳?

年金は損得勘定ではないですが、65歳からと70歳からの受給額で実際お得になるのは何歳からかを老齢基礎年金で試算すると、70歳から受給開始すると81歳時点が損益分岐点となります(税金・社会保険料は考慮しない)。それ以上は生きなくてはお得にはなりません。

2019年7月30日に公表した簡易生命表によると平均寿命は男性81.25歳、女性は87.32歳です。平均寿命より長く生きるなら老後資金へのプラス要因になります。

注意点を十分確認し、自分にあった年金受給開始を設定しましょう。

2019年の財政検証では年金受給期間を70歳から75歳までにする方向で検討されています。

65歳?70歳(75歳検討中184%増、損益分岐点86歳)の選択肢がありますので自分に適した年金受給開始を選びましょう。

まとめ

人生100年時代といわれる現在、「国民皆年金」体制のスタートした60年前の平均寿命が男性65.32歳、女性70.19歳で、約20年間程、老後期間が長くなっています。

退職金や年金が長寿化によりその分増加すれば問題はないのですが、そうはいきません。

限られた年金額を安全に増額できることを知っておくことで老後マネープランにプラスの影 響となるでしょう。70歳まで働き、その期間十分生活できるのであれば、繰下げ受給も検討に値するでしょう。

 

繰上げ受給での注意点の概要は記載しましたが、詳細は下記のアドレスを参照ください。

<老齢厚生年金の繰下げ 注意点 -日本年金機構->

<老齢厚生年金の繰下げ 注意点 -日本年金機構->

ファイナンシャル・プランナー 入野泰爾

入野 泰爾 (いりの やすじ)

ファイナンシャルプランナーCFP、FPデザインオフィス 代表
海外ロングスティアドバイザー(2012.8取得)、1種証券外務員(2013.2取得)、
年金アドバイザー(2013.11取得)、住宅ローンアドバイザー(2014.1取得)、
相続アドバイザー(2014.3取得)、日本FP協会会員、
神奈川県ファイナンシャルプランナーズ組合員

大学卒業後、大手食品メーカーで営業部門・総務部門を経て2012.2定年退職後、FPとして家計相談、セミナー講師、FP資格講師などで活動しております。前職時代の経験、また私自身の経験を通して現在の超高齢社会での長期間に渡る老後において安心・安全な生活を過ごせるようにいろいろな角度からアドバイスをして参ります。得意分野は金融資産運用含め、リタアメントプランを中心に展開しております。若年層から高齢者層の方々が自分の夢や希望を実現させるためにお役にたてれば幸いです。

詳細はこちら


l>