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在宅医療ってホントのとこどうなの?訪問看護師の在宅医療の失敗からの学び

在宅医療ってホントのとこどうなの?訪問看護師の在宅医療の失敗からの学び

在宅医療の進め方について、我が家の介護事情をまじえながらご紹介します。

在宅医療の始まり

わが家の場合、地方在住、ひとり暮らしの姑の入院をきっかけに介護生活へ突入となりました。入院前、物忘れが多くなり、できないことが増えたため、介護保険を申請しました。生活はなんとなく自立できたのでヘルパー利用のみでした。しかし、この入院から寝たきりとなります。

かかりつけの医師が往診可能とわかり主治医へ、訪問看護師やヘルパー、福祉用具手配などケアマネジャーと相談して必要なサービスの決定をしました。地方の場合、地域事情に詳しい人の選択が重要になります。医師や看護師、ケアマネジャー、近所の方、友人など様々です。病気になる前からコミュニケーションをとって情報収集をしておくとよいでしょう。

高齢者の場合は、ひとりの生活が難しくなったら介護保険を申請します。入院で状態が変わった場合は、病院ソーシャルワーカーへ相談するとよいでしょう。医療や福祉サービスの知識が豊富で必要な支援方法を一緒に考えてくれます。

在宅医療は、通院が出来なくなると始まります。在宅医療というと末期癌を想像するかもしれませんが、病名は多種多様にあります。特定の病気や高齢者の場合は介護保険や医療保険を併せて利用し、子供や介護保険対象外の大人では医療保険を使います。

以前の在宅医療選択は、本人の同意を十分に得られないまま医療者側の意向で決定され不満も多かったですが、最近は家族や本人の希望へと変化し満足度が増しています。

在宅医療のつまずきと地域差を思い知る

わが家の姑の介護サービスは訪問看護師の経験を駆使したチーム作りでしたが、在宅医療は上手くいきませんでした。その原因は、夫の両親が70過ぎに東京から地方へ移住、両親も子供もコミュニティ作りが出来ていなかったのです。いまだに家族介護が主流の地域であり、都市部で体験するような医師や看護師、ヘルパー、ケアマネジャー、病院の連携方法が全く通用しませんでした。

主治医は多量の薬を処方していましたが、姑は以前より内服せずに押入れに多量の残薬が見つかりました。訪問薬剤師に残薬整理を含めて服薬管理をお願いしたかったのですが、地方に訪問薬剤師はおらず、断念。主治医へ処方薬減量を交渉しましたが、減量ならずでした。姑は心臓が悪く、主治医は専門外で診察できないと言い、遠方で入院施設のある専門医へ定期的に外来通院することになりました。予約時間に呼ばれることはなく、3時間以上も待たされ、いつも姑はぐったりと疲労ぎみでした。このような経過を経て、在宅サービスが希望通りに導入できずに健康状態が悪化、在宅生活継続が難しくなり、施設に入所。現在は不安定ながらも落ち着いた生活を取り戻しています。

地域包括ケアシステムをなぜ導入しなければならなかったのか?

現在、高齢世帯や独居高齢者の増加により年間死亡者数が増え続け、私の住む地域でも死亡後1週間は斎場待ちがあたりまえとなり、高齢化を肌で感じる毎日です。厚生労働省の発表では平成26年度人口動態統計の年間死亡者数127万3004人です。高齢化による死亡者数は年々増加傾向で、平成26年度の死亡者数は、島根県と鳥取県を合わせた人口分の方が亡くなっているということです。(鳥取県人口57万1000人、島根県69万2000人)

在宅医療の背景には財政問題の他に、少子高齢化も大きな原因で、少子化は生活を支える人材不足を深刻化させています。病院を増やせない理由も少子化による働き手不足が背景にあります。

病院で死亡者数が増えた理由

1973年老人福祉法改正による老人医療費無料化時代、入院が経済的に家族の負担なく治療や介護が受けられたことで長期入院に拍車をかけ、病院死亡者数増加の原因となりました。これにより国民の病院志向が高くなり、医療費が安いのは当たり前という考え方に変化しました。本来、医療費は決して安くはありません。自己負担以外、私たちの税金から支払われている自覚を持つことが在宅医療を考える上で重要ではないかと考えています。

在宅は病院より高くつくけど満足度高し!

在宅では、医療費以外に医療器具レンタル費用や購入費用、衛生材料費用などの費用が発生し入院より費用が増します。平成28年3月30日に、SBI生命保険が主催する「在宅医療」講演に参加しました。SBI生命保険は「も。」という在宅医療にかかる費用を支援する保険を販売しています。

わが家は在宅医療導入に失敗しましたが、本来の在宅医療は自分好みのサービスを選び、医療や福祉サービスとじっくり向き合えて満足感が味わえます。現在、訪問看護で経験している医療保険介入を主とした在宅医療期間は、慢性疾患で数年経過もありますが、数は少なく、癌や非癌含めた状態の悪い方のサービス利用期間は1日から数週間と非常に短く、ぎりぎりまで通院先で治療継続して入ることが理由です。

医療には地域差がありますので、自分や親の居住する地域の情報収集が重要です。

私が訪問看護師として活動する地域は、在宅医療患者や在宅看取が着実に増加傾向にあります。東京都含め周辺地域は特に高齢化が著しく、医療を取り巻く状況の悪化が予測されます。問題解決に向け、地域の役所、医師、歯科医師、薬剤師、訪問看護師、ケアマネジャー、ヘルパーの各団体が、数年前から年に数回集まり意見交換を行い、地域で支える体制についてお互いの理解を深め仕事がしやすい雰囲気を作る努力をしています。今後は利用する側である地域住民との交流が始まります。日本の人口動態にかつてない大きな変化が予測されるため、お互い協力して医療や福祉の問題解決に真剣に取り組む努力が必要なのです。

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終身医療保険「も。」商品概要ページ

「在宅医療」講演会ニュースリリース

原田 喜代乃

原田 喜代乃(はらだ・きよの)

訪問看護師

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