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贈与で使える!平成27年度税制改正のポイント

贈与で使える!平成27年度税制改正のポイント

いよいよ相続税の基礎控除の引き下げがスタート。今までわが家には関係ないと思っていた相続税。税金がかかるのかどうか、チェックはできていますか?まだ、という方は、これだけはやっておきましょう。
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さて、毎年恒例の税制改正ですが、今年は「贈与」や「子育て」という言葉が目を引きます。そこで今回は、改正の中から贈与で使える制度を中心にお伝えします。

贈与で使える!制度

改正の中から、贈与で使える3つの次の制度をご紹介します。

1.結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税【創設】(平成31年3月31日まで)

新たに、結婚・子育て資金(*)の一括贈与が非課税となる制度ができました。親・祖父母(贈与者)が、金融機関に子・孫(受贈者:20歳以上50歳未満)名義の口座等を開設し、その口座に結婚・子育て資金を一括拠出します。子・孫ごとに1,000万円(使途が結婚関係の場合は300万円)まで非課税。子や孫が50歳になると口座は終了し、残額に贈与税が課税されます。親・祖父母が死亡した場合、死亡時の残額が相続税の課税対象となります。
(*)結婚・子育て資金
・挙式費用、新居の住居費、引越費用
・不妊治療費用、出産費用、産後ケア費用
・子の医療費・入園料・保育費(ベビーシッター費含む)など

2.住宅取得等資金に係る贈与税の非課税【拡充・延長】(平成31年6月30日まで)

従来からの制度ですが、親・祖父母(直系尊属)から、子・孫への住宅取得等資金に係る贈与税の非課税枠が最高3,000万円(平成27年中1,500万円、平成28年1月~9月1,200万円、平成28年10月~平成29年9月3,000万円)まで拡充されました。従来、この非課税枠は贈与日で決定されましたが、「契約日」に変更となります。また、住宅取得等資金に係る相続時精算課税の特例(贈与者の年齢が60歳未満でも、相続時精算課税が適用可能な制度)についても、同様に期限が延長されました。
この住宅取得等資金の贈与は、実際に検討・利用されるケースが多く、関心度が高い制度です。贈与税が非課税ということだけでなく、住宅ローン控除を受けることで、所得税・住民税の減税メリットも受けることができます。

3.ジュニアNISA【創設】(平成28年から平成35年まで)

20歳未満でも開設できる「ジュニアNISA」が創設されました。開設は平成28年から。年間投資上限額は80万円、非課税投資額は最大400万円(80万円×5年)です。また、20歳以上の「NISA」についても、平成28年から年間投資上限額が120万円、非課税投資額は最大600万円(120万円×5年)に引き上げられます。毎月ベースで考えると10万円まで積立投資を行うことが可能になります。

知っておきたい、今後の改正

この他、知っておきたい改正を4つご紹介します。

1.特定空家等に対する土地固定資産税の減額除外(平成28年度分から)

住宅用地には固定資産税の減額制度(200㎡以下は6分の1等)がありますが、特定空家等(倒壊の危険の恐れのあるもの等)の土地については、この減額の対象から除外されます。この改正により不動産の保有コストがアップするため、賃貸、用途変更、売却、組み替えなど、早目に検討するのも一案です。空家住宅情報(国土交通省住宅局・一般社団法人すまいづくりまちづくりセンター連合会)では、空家情報を登録・検索することができます。
http://www.sumikae-nichiikikyoju.net/akiya/index.php

2.「財産債務調書」の創設(平成28年1月1日から)

現在の財産債務明細書を見直し、新たに「財産債務調書」が創設されます。対象者は、「所得2,000万円超」かつ「その年12月31日の総資産が3億円以上または有価証券等1億円以上」です。原則、不動産や有価証券等を時価で記入して税務署に提出します。

3.生命保契約等の支払調書(平成30年1月1日から)

相続が発生すると、親から配偶者や子へ保険契約者を変更する場合があります。こうした契約者変更時の課税漏れを防止するため、契約者情報、解約返戻金、払込保険料等を記載した支払調書を保険会社が税務署へ提出することになります。

4.マイナンバーが付された預貯金情報(平成30年1月1日からの予定)

平成28年からはじまるマイナンバー。預金者は銀行等からマイナンバーの告知(任意)を求められることが審議されていますが、銀行等に対しては、預貯金情報をマイナンバーにより検索可能な状態で管理することが義務付けられます。

相続対策は、贈与税・相続税をセットで考える

ライフプランを立てるとき、結婚~出産~子育て~住宅取得といったそれぞれのタイミングに応じて、まとまった資金が必要です。この時、税制を上手に活用して贈与や還付を受けることにより、キャッシュフローを大幅に改善できることがあります。相続は、相続税だけ考えるのではありません。相続税と贈与税を併せたトータルの税コストを考えることが必要。相続対策に欠かせない贈与。タイミングよく、効果的に使いたいですね。

中島典子

中島 典子 (なかじま のりこ)

ファイナンシャル・プランナー、税理士、社会保険労務士、相続診断士 CFPR認定者・1級ファイナンシャル・プランニング技能士

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