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訪問薬剤師とお薬手帳を上手に利用しよう

訪問薬剤師とお薬手帳を上手に利用しよう

介護の始まりと薬

今年、他県に住む姑が入院し遠距離介護が開始しました。入院までは運転もでき独居生活をしていたのですが、ある日、救急車で病院に運ばれ心臓の病気が発覚、心臓を手術し常時介護が必要な状態となりました。

入院している病院から内服薬を持参するように言われ自宅捜索、なんと押入れに数か月分の手つかずの薬の山。お薬手帳には、20種類以上の処方薬が記載され、唖然としました。

高齢者と薬の問題

介護現場でみられる高齢者の薬の問題は、処方されても飲まない薬を多数所有、処方通りに飲めていないなどがあります。複数の病院受診や薬局利用により同じ効果の薬を処方されたり、治療効果を弱める薬の飲みあわせがあったりで、薬を正確に飲めていないことが原因で、治療効果に影響が出ています。

薬には、糖尿病治療に使われる食前薬(食事直前に内服し血糖値コントロールをする)や整形外科処方の骨を強化する薬で1週間に1回に飲む薬、朝起きてすぐ飲む薬、抗癌剤や麻薬のように決められた時間に飲む薬など飲み方が違い、年齢の影響や病気により理解力が低下するために問題が起こります。

在宅介護では、自己管理ができていない場合に薬剤師に訪問を依頼します。

訪問薬剤師の捜し方とお仕事

届け出のある薬局しか訪問できないため、希望する薬局に問い合わせるか、ケアマネジャーや訪問看護師に相談して薬局を捜してください。複数の病院利用でも薬局は1か所とすることで、重複した処方や薬効に影響する処方を医師へ相談できるので安全な治療ができます。

利用料金は、薬代と在宅患者訪問薬剤管理指導料500円や交通費です。(費用については地域や薬局により異なるため、確認してください。)病院の処方日数によって訪問回数が決まり、1週間分処方であれば毎週訪問となりますが、安定した状態であれば4週間分なので1カ月に1回程度の訪問となります。

薬剤師は処方箋を受け取り、薬を自宅へ届け、薬の説明と相談、必要な時は服薬カレンダーなどを利用し飲みやすい工夫をします。自宅に残っている薬の整理や服薬カレンダーなど利用者に合わせた用具の相談。シートから薬が取り出せない、複数の薬管理ができない場合に「一包化」を医師の指示のもと行います。「一包化」とは、同じ時間帯に飲む薬を1つの袋に1回分ずつパッケージにしたものです。シートごと誤って飲んだり、複数の回数が違う薬を間違えて飲んでしまうなどの事故軽減にもなります。

似たような薬や新薬など看護師でも理解できないことも薬剤師であれば安全な管理と指導がうけられます。点滴や抗癌剤治療などもあり、在宅での治療継続にとても助かっています。

お薬手帳は重要

災害時や意識がなく病院へ運ばれた場合、処方内容や受診病院、主治医名、処方薬局名が印刷されており、効果的な治療と生命の安全が確保できます。自治体によっては、冷蔵庫などお薬手帳の保管場所を指導し、家族がいなくても救急搬送時にお薬手帳を持って行けるようにしているところもあるようです。

現在も遠距離介護継続中ですが、姑の内服薬は6種類となり、看護師やヘルパー支援により正確に内服できるようになりました。介護が必要な状態になって、薬をきちんと飲めていない事に気が付くので、ご両親の内服薬を今一度確認してみてはどうでしょうか?かかりつけの薬局、お薬手帳を使って安全な健康管理を心掛けましょう。

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