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介護保険の比較(2010年3月現在)

介護保険の比較)

今回は、介護保険について取り上げます。

介護保険とは?

2015年には65歳以上の割合が4人に1人(26%)、2040年には3人に1人(33.2%)になると予想されており、急激な超高齢化が進んでいます。一方で、医学の進歩などから、平均寿命も男性79.29歳、女性86.05歳(平成20年)と、過去最高を記録し続けています。
核家族や高齢者の独居も増える中、2042年には65歳以上の1割が認知症になるとみられていることからも、「介護リスク」は無視できないものとなっています。

当然ながら、公的介護保険を前提に考えますが、それでは不十分と思われる分を補うのが民間の介護保険の役割といえます。
介護保障をカバーするには、介護特約を付加する、終身保険の保険料払込満了時点で介護保障に移行する、あるいは貯蓄で備える、といった方法もありますが、ここでは、単体の介護保険を見ていきます。

民間の介護保険は、所定の要介護状態となったときに、介護一時金や介護年金がおりるものがほとんどです。中には、介護一時金だけの商品や、介護年金だけの商品もあります。
介護一時金は、住まいのバリアフリー化の工事や、車いすをはじめ介護用品などを購入する際の費用に充てることができます。介護年金は、公的介護で不足する介護サービスを自分で購入したり、介護の関連費用と考えることができます。

介護年金が支払われる回数は、10年など一定期間や満了までなど給付される期間が限定されたものと、支払い要件を満たす限り、終身で支払われるものとがあります。

この他、商品によっては、死亡保障がついているものや、一定年齢まで介護にならずに迎えたときに健康祝金が出る特約がつけられるもの、一度、要介護状態になって回復したという時に祝金が出るものなど、いろいろなオプションもあります。また、終身保険をベースにしていて、要介護状態で一時金や年金を払いだすと、その分、死亡保障が減っていくというタイプもあります。

保障の対象となる要介護状態も、公的介護保険の基準を適用するものと、「寝たきり」や「認知症」に関して保険会社独自の基準を設けているものとがあります。何日その症状が続けば保障が受けられるか、という「フランチャイズ期間」は180日が主流でしたが、最近は、90日や30日といった短期の商品も増えています。

保障内容の比較

終身型の介護保険3商品を比較したのが下表です。取り上げたのは、アフラック「介護マスター」、三井住友海上火災「V-CARE」、ソニー生命「終身介護保障保険」。

各商品の特徴を整理します。
「介護マスター」は、介護一時金と介護年金だけのシンプルな内容で、保険料も安いのが特徴です。介護年金は、該当の要介護状態である限り、ずっと受取ることができます(中断後も条件に合えば支払われます)。また、介護一時金は該当しませんが、介護年金が支払われている間は保険料は免除されます。介護一時金に関してはなぜか待ち期間が180日設定されています。

なお、「介護マスター」の要介護状態は独自の基準に基づいていて、その内容は次の通りです。一時金に適用するAと、年金に適用するBでは、よりBの方が重くなっています。
要介護状態A: 「寝返り」「歩行」のいずれか1項目以上が一部介助または全介助を要する状態。 および、「衣服の着脱」「入浴」「食物の摂取」「排泄」のいずれか1項目以上が一部介助または全介助を要する状態。
要介護状態B: 「寝返り」「歩行」のいずれか1項目以上が一部介助または全介助を要する状態。 および、「衣服の着脱」「入浴」「食物の摂取」「排泄」のいずれか2項目以上が一部介助または全介助を要する状態。

「V-CARE」は、介護一時金と介護年金を主契約に、いくつかの特約が用意されている商品です。特徴は、公的介護保険に連動していることと、該当する症状が発生して保障の対象になるまでの「フランチャイズ期間」が30日、90日と短いものがあるばかりでなく、180日も含めた3つの中から選べるようになっています。下表のプランは30日で試算してあります。

保険料の払い込みは歳満了と終身がありますが、表内では85歳満了にしてあります。介護一時金は1回のみ、介護年金は該当の要介護状態である限りずっと受取ることができます(中断後も条件に合えば支払われます)。介護年金が支払われている間は保険料は免除されます。

V-CAREは、一時金も年金も公的介護保険の要介護度3が基準になっています。そのため、40歳以上65歳未満の場合に保障の対象になるのは、介護保険で定められた16の特定疾病で要介護状態になった場合に限られます。

下の例で、軽度介護一時金 30万円をプラスした保障内容になっているのは、要介護度3になる前に、バリアフリー工事や介護用品をそろえるための資金が必要になるであろうということからです。その分保険料は高めになっています。

ソニー生命「終身介護保障保険」は、上記の2つとは基本的に発想が異なる商品で、終身の死亡保障もついた商品内容です。死亡保障を基本介護年金の5倍、7倍、10倍から選ぶことができます。

介護一時金と介護年金、死亡保障があり、介護一時金と介護年金については公的介護保険に連動していますが、こちらは要介護度2以上の状態が支払いの条件になります。フランチャイズ期間がないことも大きな特徴です。
ただし、65歳未満に関しては、「所定の要介護状態が180日継続したとき」と規定されており、それを満たすことが条件となっています。

この商品の場合、介護一時金や介護年金を受け取るほど、その分、死亡保障が減る仕組みになっています。介護で当初の死亡保障額を使い切った後に亡くなると、死亡保障はありません。ただし、亡くならずに所定の要介護状態が続いた場合は、ずっと介護年金が出続けます。つまりは、介護保障で使わなければ死亡保障となり、介護保障で使う場合は終身で支払われる、というのが特徴です。
保険料は高めですが、下の50歳男性の例でみた場合、何事もなく経過した場合、60~64歳で解約をすると払込累計の7割程度の解約返戻金は戻ります。

保険料の払い込みは歳満了と終身とがありますが、表内は終身です。介護一時金は1回のみ、介護年金は該当の要介護状態である限りずっと受取ることができます(中断後も条件に合えば支払われます)。介護一時金が支払われると保険料は免除されます。

介護保険比較

ファイナンシャル・プランナー 豊田眞弓

豊田 眞弓 (とよだ まゆみ)

ファイナンシャルプランナー(AFP)、住宅ローンアドバイザー、ファミリーリスクコンサルタント FPラウンジ ばっくすてーじ代表
親の介護・相続と自分の老後に備える.com主宰

94年より独立系FPとして個人相談、寄稿・監修、講師等に従事。相談実績約2500件。「人生転機のマネー術」「家計のリスク管理」を大テーマに置いている。

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