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将来を見据えた「整理の秋」のススメ

将来を見据えた「整理の秋」のススメ

9月に入り、これから少しずつ秋物、冬物へと衣替えの時期になっていきますね。
秋は、「食欲の秋」、「読書の秋」、「芸術の秋」など、いろいろと代名詞がつけられていますが、ぜひ「整理の秋」も加えていただきたいと思います。

整理するには、「秋」が一番

家の中にあるものは、室内空調があるため、一年中物の整理はしやすいと思いますが、外にあるものの整理は、季節によってやる気がおきないものではないでしょうか。家の外にある物置や、庭やベランダにある不要な物の整理は、秋が一番ではないかと思うのです。春という選択肢もありますが、花粉症の人にはつらい時期。外に出ての作業は、冬は寒く、夏は暑い。

ご夫婦の場合、力仕事は夫の力を借りて、物置や不要な物を整理してみませんか。夫が先立ち、妻が一人になった後、物置などを一人で整理するのは、少々気が重くなるのではないでしょうか。子供たちに手伝ってもらって整理することもできますが、もし現在ご夫婦共にお元気なら、気力体力のあるうちに整理することをお勧めします。

将来、介護が必要になったときのためにも

70歳以上の方でも、まだまだ気力体力もあり、旅行や友人とのお茶会、サークル活動など、充実した時間を過ごしている方もおられると思います。

しかし、将来、老人ホームなどの介護施設に入ることになった場合、家の中にあるものを全て持っていくことはできません。部屋のスペースが狭いですし、収納箇所も少ないのです。ある方は、老人ホームの入居契約はしたけれど、家の荷物の整理が終わらず、入居が延びている方もいます。

また、自宅を売って、介護施設に入るための資金を作る場合もあります。そのときに、自分で取捨選択の判断や整理ができない状態であれば、家族や知人友人親戚などの手を借りることになります。その場合、本人が大切にしているものがわからず、判断に迷うこともあります。

「秋」は、家の外にある物の整理にお勧めの季節ですが、衣替えの季節でもあるので、衣服を含めて、家の中の物の整理にも取り組んでみましょう。

どのくらい整理すればいいのか

介護施設に入るときに限らず、物の整理はどのくらいまで少なくしたらいいのか、悩む場合があると思います。物を置くスペースがあり、まだまだ元気と思っていると、趣味のものや捨てる勇気の出ないものなど、いろいろあると思います。また、一度に整理できればいいのですが、1人の場合、なかなか難しいことがあります。

そこで、お勧めしたいのは、引っ越すことを想像して、必要なものを選んでみるということです。

引っ越す場合は、引越し先の部屋の大きさにもよりますが、介護付有料老人ホームの場合、大体8畳~11畳。でも、洗面台やトイレがそれに含まれています。また、クローゼットはあっても、小さいところが多いですし、クローゼットがないところもあります。実質、介護用ベッドと整理たんす、椅子や小さなテーブルなどで部屋が埋まってしまうことが多いです。

なかなかイメージがわかない場合は、老人ホームなどの介護施設を見学に行くのもいいですね。施設によって部屋の広さはまちまちですが、ベッドや家具などが配置されているモデルルームが用意されているところもありますので、整理するためのイメージがわいてくると思います。

衣服を含めて、本やCD、小物や趣味の物など、動けるときに必要なものと、外出がままならないような体の状態のときとでは、手元に残しておく物の量が違ってくると思います。

ただ、衣服は、冬のコートやジャケットなど、ハンガーにかけておくものを除いて、4~6段の引き出しがある整理たんすに1年分の衣服が入るくらいにまとめられたらいいですね。いつか着るかも、使うかもと思い、とってあるものは、老いていく将来に本当に必要なのか、改めて考えてみましょう。

それから、在宅介護を考えている方も多いと思いますが、リフォームや介護用ベッドなど、介護のためのスペースを家の中に用意するためにも、事前の物の整理は必要になってくるでしょう。

自分の亡くなったときのことも少しイメージしてみましょう

自分にとって、「一生の大切な思い出の品」や「宝物」と思うものでも、家族にとっては価値のないものと思われることもあります。形見分けをしようと思うなら、あらかじめ渡したい相手に聞いてみるもの1つの方法です。女性の和服をもらっても着る機会のない人もいます。

それから、昔撮った写真をアルバムで保存している人も多いと思います。しかし、大量の写真があっても、今改めて見ると、自分が気にいっているものは意外と少ない場合もあります。遺品整理で大変な物の中に、写真があります。気に入った写真だけを残しておく作業は時間がかかるかもしれませんので、早めに取りかかるといいでしょう。

元気なうちに身の回りの整理をしましょう

身の回りの整理は、気力体力のある元気なうちにぜひやっていただきたいです。歩くのがつらい、病気がちで体力がなくなってきた、持病が悪化してきたというようなことがあると、整理をする気力がわいてこなくなるものです。

子供たちの小さいころの思い出の品は、子供たちが必要かどうか判断をまかせる形で、そのままにしておいてもいいでしょう。

まずは、自分の物から始めて、ご夫婦の場合は、一緒にできることからとりかかることをおすすめします。

<参考>
衣服をハンガーにかける際、必要なハンガーパイプの長さ(出典:建築資料集成)

  • コート10着:60~70cm
  • スーツ10着:90~100cm
  • ブラウス10着:40~50cm
  • スカート10枚:40~50cm
  • ズボン10本:40~50cm

ファイナンシャル・プランナー 佐川京子

佐川 京子(さがわ きょうこ)

佐川京子行政書士事務所 代表
行政書士、ファイナンシャルプランナー
終活アドバイザー、福祉住環境コーディネーター

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