親の介護・相続と自分の老後に備える.com

リタイア後の生活をお金の面から考えてみましょう

もしもの時に財産をまもる家族信託を知っていますか?

多くの人はやがてリタイアを迎えます。資産はいくら準備すべきなのか不安ですね。一般にリタイアのセミナーではお金の額だけが強調されますが、考え方と実行力が重要です。長生き、年金、インフレ等にどう対処していくかを考えてみましょう。

いつまで?

最初に、長生きはいつまで見積もるべきでしょうか。通常は平均余命(残された年数の平均)という値で考えます。しかし、ある年齢までの平均の方は、平均余命より長生きするということをご存じでしょうか? 禅問答の様ですが、歳をとっても人は均等な割合で減って(亡くなって)いかないことから起こります。リタイア生活を考えている時や始めた時はまだ亡くなる人の割合はわずかです。平均余命より長く生きることを考えて予算を立てなければなりません。90歳まで考えることをお勧めします。

支出はいくら?

*平均では
一方、世帯あたりの支出はいくらでしょうか?ご夫婦だけのご家庭では、税金、健康保険料、介護保険料を含めると26万円余りという統計結果が出ています。お1人でお過ごしの場合16万円弱です。多いのか少ないのか人それぞれで違った印象を持たれるでしょう。ご自分でリタイア後の生活をシミュレーションしてみてください。平均額だけではリスクが大きすぎます。

*趣味・娯楽も大事
統計をよく見ると収入によって支出も大きく変わります。収入の範囲内でやりくりされている姿が見えてきます。「食糧費」や「光熱費」は年収比ほど変わりません。最も大きなものは「その他の支出」です。これはタバコ代や交際費です。また、「趣味娯楽」も収入差以上の差となっています。退職時代に趣味娯楽もなく、無味乾燥な老後生活をおくるのは寂しいかぎりです。お勧めするのは趣味娯楽を出費ではなく、レベルアップして収入にすることです。新しいお付き合いも生まれるかもしれません。ご自分の得意技で退職後に思いきりしたいものを考えてみてください。

 *離れられない税金・保険料
忘れてならないのが、医療費や税金、社会保険料です。年金は保険料を払う時には所得控除の対象ですが、受け取る時には税金を払わなくてはなりません。年収は税金だけでなく、社会保険料の額や医療費の負担割合にも影響してきます。税金の正しい知識を持って、払わなくても良い税金は払わないで済ませましょう。

*総額は?
統計の値を用いて、26万円で65歳から90歳までの25年間を過ごすと仮定します。1%のインフレ率で9,100万円を使います。災害での修理、緊急のご病気、介護状態になるなどのことを考えると1,000万円程度の予備費を考えると約1億円の資金総額が必要です。

年金のはなし

*統計では
さて、ここからが年金の話になりますが、年金額は統計によっていくつかの値がでてきます。収入から考えてみましょう。30万円の給料と3か月のボーナス(標準報酬36万円)が現役時代の収入の平均です。この方は奥様の分も合わせて、約23万円の年金を受け取ります。年金受給額を25年分との資金総額との差が実際に必要なお金ということになります。23万円を25年受け取ると6,900万円ですが、年金額は人それぞれなので額は無意味です。それより、現役時代は給料を上の値以上にする努力をしましょう。実際の年金額の予想値は年金定期便や年金ネットで確認できます。平均より自分の年金でいくら不足するのか確認してください。

*将来どうなる
今年は、「税と社会保障の一体改革」が国会を通過しました。消費税増税で、これまで綱渡りで運営されていた国民年金の財源に目途が立ちました。一方、平成12年から3年間物価が下がったのに年金を下げなかったツケを来年度から3回に分けて解消するという方針も決まりました。年金は2.5%減額されます。この結果、平成16年改正で導入された本来の年金抑制策、「物価上昇率-0.9%」でしか年金を上げないというシステム(マクロ経済スライド)が作動することになります。物価上昇率が1%なら年金は0.1%しかあがりません。物価が上がっても上がらないと覚悟しておきましょう。

*65歳まで現役
平成16年改正の柱の1つは65歳までの現役化です。60歳で定年退職になっても継続雇用され65歳まで働くことになります。これまでは、組合との協定の基準を満たした方だけが継続雇用されましたが、今回の改正で、希望者全員を雇わなければならないと決められました。ただ、現在、継続雇用を行っている会社は平成37年度までに段階的に引き上げれば良いことになっています。労働組合等で自社の継続雇用制度を確認しておきましょう。思ったほど、厳しい条件でない会社が多いという統計結果もあります。

現役時代から準備

年金は生活の柱ですが、仕組みをよく知ってどう活用するかを考えることが重要です。統計から見えてきたのは、多くの方が年金の中でやりくりしながら生活しているということです。年金がすこし足りないとしても、予備費だけを準備して、節約で生活しようという考えもあります。これとは反対にわずかな収入でも働くことで収入を得るということで劇的に生活を改善できるかもしれません。ご自分にあったライフスタイルを考えてください。
このときの重要ポイントは趣味、娯楽、お付き合いです。工夫をすることで、少ない支出で同じ効果をだせるようにしていきましょう。
このような工夫や、節約、税の知識などは直ぐに身に付くものではありません。現役時代から計画を立てて、実行してみてください。ダメなら他の方法を試みます。無理や、我慢をしてのリタイア生活はつらいものです。リタイア生活を楽しんで、いろいろな方々との付き合いを増やすための能力開発を今から始めてみませんか?

2014年8月開催セミナーのDVD販売中。
「高齢期こそインターネット! -親と子はスープの冷めない距離からネットのつながる環境へ-」 詳しくはこちら

ファイナンシャル・プランナー 上本勉

上本 勉(うえもと つとむ)

ファイナンシャルプランナー(CFP)、フリーFP、 通信費アドバイザー

前職はエンジニア。2008年退職後、FPとして、リタイア後の生きがいと安心をテーマに活動中。

詳細はこちら