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長寿化と介護費用

長寿化と介護費用

80歳以上の介護認定者は2人に1人以上!?

厚生労働省2018年「介護給付費等実態統計月報」、総務省「人口推計月報」のデータによると、要介護者の発生率は、40~64歳では0.4%、65~69歳では3.0%ですが、加齢とともに急速に高まり、80~84歳では28.0%、85歳以上では60.1%となっています。

長寿化に伴い、年々平均寿命は延びています。今までは高齢者1人の介護費用を考えていれば良かったが、これからは高齢者夫婦での介護費用が必要となることも考慮しなければなりません。

医療の進歩で日本人の平均寿命は年々延びていますが、それとともに健康寿命も延びています。健康寿命とは、介護なしで日常生活を営める年齢的な期限のことです。介護はいつ終わるかわからないとも言われますので、健康寿命から平均寿命までの期間約10年間は、そのまま要介護期間と想定しても構わないと考えます。

高齢者夫婦ふたりの介護費用は?

公益財団法人 家計経済研究所「在宅介護のお金と負担」2016年調査報告によると、在宅介護1人に要した費用(公的介護保険サービス利用料3.2万円+介護保険サービス以外の費用3.7万円)は、一時費用を除き月々の費用が平均6.9万円となっています。(参考までに中央値は4.4万円)

当然、高齢者夫婦2人のうち1人を高齢者が介護するには限度があります。いわゆる老老介護です。夫婦2人が健康寿命を超え、介護状態になると在宅介護とはいきません。子供に迷惑を掛けたくないと思っても手助けが必要となりますが、現代社会のように核家族での生活パターンではなかなか上手くはいかないようです。また生涯賃金も低く、退職金も年金も今ほど期待できないであろう就職氷河期と言われた時代に生まれた方は2030年には60歳以上となり、親の介護もままならない上、その方達が時として介護状態になる可能性もあります。悩ましいところではあります。

老老介護に陥りやすいのはやはり金銭的余裕がないとうケースもあります。要介護者を施設に入れるお金がなければ、年金を受給しながら介護生活を送るしかありません。しかも介護する方も高齢者となりますので、介護のプロの助けを借りなければなりません。

介護費用は同居などで子供に助けてもらうことができれば、高齢者2人の在宅介護費用は月平均で約14万円となります。年金収入の厚生省モデルケースでは高齢者無職2人で月平均約22万円ですので、何とか高齢者本人達の収入で金銭的には介護費用を賄うことは可能です。また残りの8万円は同居費用に廻すことができます。しかし介護度が進めば、金銭的にも肉体的にも在宅介護は難しい状況となります。

要介護度3以上であれば特別養護老人施設への入居は可能ですが、まだまだ待機人数も多くて入居まで時間がかかりそうです。特別養護老人施設への入居に際しての一時金はゼロです。旧施設(多床型)の入居費用として月額9万円~15万円/1人、最近建てられた施設にはユニット型個室もありますが、多床型より割高となっています。また、介護者に同居可能な方がおられる場合には入居ポイントが低くなります。

施設での介護費用は高齢者2人で最低月平均20万円~月平均30万円は計画する必要がありますが、平均的な年金収入では足りません。

お金に余裕のある方は、看取りまで完結した介護付き高齢者住宅があります。一時金は平均1㎡約80万程度かかるところで、月々約25万円~40万円程度。高齢者2人であれば、50万~80万/月必要です。不動産を持ち相続人がいない方か、1憶円以上の預貯金のある方であれば安心して生活できそうです。

まとめ

高齢期は年金が生活費の柱です。介護になった場合は年金以外でのプラスアルファーがいくら必要かをよく試算し、目標額を設定し、若いうちから資産を増やす自助努力が必要不可欠です。

高齢化と核家族化が進んだ現代社会では、他人や行政の助けを借りてこそ、健全な介護を行えるのではないでしょうか。困ったときは、子供や兄弟、親戚、そして行政に相談するのが、深刻な状況にならないためにも大切です。地域包括支援センターなど上手く活用することをお勧めします。

子供は子供で精いっぱい生活しています。子供たちには迷惑を掛けないようしたいものです。

ファイナンシャル・プランナー 入野泰爾

入野 泰爾 (いりの やすじ)

ファイナンシャルプランナーCFP、FPデザインオフィス 代表
海外ロングスティアドバイザー(2012.8取得)、1種証券外務員(2013.2取得)、
年金アドバイザー(2013.11取得)、住宅ローンアドバイザー(2014.1取得)、
相続アドバイザー(2014.3取得)、日本FP協会会員、
神奈川県ファイナンシャルプランナーズ組合員

大学卒業後、大手食品メーカーで営業部門・総務部門を経て2012.2定年退職後、FPとして家計相談、セミナー講師、FP資格講師などで活動しております。前職時代の経験、また私自身の経験を通して現在の超高齢社会での長期間に渡る老後において安心・安全な生活を過ごせるようにいろいろな角度からアドバイスをして参ります。得意分野は金融資産運用含め、リタアメントプランを中心に展開しております。若年層から高齢者層の方々が自分の夢や希望を実現させるためにお役にたてれば幸いです。

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