親の介護・相続と自分の老後に備える.com親の介護・相続と自分の老後に備える.com

年金は老後の備えの大きな支え!受給開始は老後の人生計画から

年金は老後の備えの大きな支え!受給開始は老後の人生計画から

年金受給開始は65歳からだけではない!

日本経済新聞(2019年1月26日付け)によると「厚生労働省は公的年金の受給開始年齢を75歳まで繰り下げられるようにする検討に入った」とのことです。公的年金の受給開始年齢は現行制度では原則65歳です。受給年齢期間は60~70歳の範囲で加入者が選択できます。受け取り方法には受取年額を減らしてでも早く受け取る「繰り上げ」受給と、受給を遅らせてでも受取年額を増やす「繰り下げ」受給の選択が可能です。「繰り下げ」受給は70歳開始が上限ですが、年金財政の逼迫から元気な高齢者に社会保障を支える側に回ってもらい、上限を引き延ばす選択肢の検討がされています。

「繰り下げ」と「繰り上げ」のどっちを選ぶ?

「繰り上げ」は1か月ごとに0.5%ずつ、1年で6%減額され、「繰り下げ」なら1か月に0.7%ずつ、1年で8.4%増額されます。最大の70歳まで繰り下げれば、0.7%×12か月×5年=42%も増える計算です。繰り下げ上限を75歳にすると、0.7%×12か月×10年=84%となり、現在65歳からの受給額のほぼ倍額を受け取る計算となります。

2018年度の国民年金受給額(満額)では65歳からは月額64,941円、年額779,292円です。

「繰り上げ」で60歳からの受給では年額545,504円、「繰り下げ」で70歳から受給では年額1106,594円、「繰り下げ」75歳から受給では1,433,897円となります。いずれも終身の受給額です。

2018年度の国民年金受給額で65歳からの受給と比較した場合、60歳からの「繰り上げ」受給では76歳時点でほぼ同額、70歳からの「繰り下げ」受給では81歳時点でほぼ同額、75歳から「繰り下げ」受給とすれば、86歳時点でほぼ同額となり、70歳からの「繰り上げ」受給と比較すると91歳時点でほぼ同額となる計算です(マクロ経済スライド、インフレは考慮しない)。厚生労働省年金局によれば、2016年度の70歳受給者では「繰り上げ」受給された方は20.5%で減少傾向に、「繰り下げ」受給者は1.4%で横這い傾向です。

まとめ

人生100年時代を見据えても、自分が何歳まで生きるかの予測は難しい。「繰り下げ」受給を選択して、長生きリスクに備えて年金を増やすのか、64歳までの生活費が不足のため、配偶者の年金だけ「繰り上げ」を選択するのか、家計事情は様々ですが、重要なのは、リタイア後の人生約40年間でどのくらい取崩し資産があるか、また何歳まで働き、資産形成できるかです。なお、60歳を超えて、老齢厚生年金を受給しながら、厚生年金保険のある事業所で働くと、報酬に応じて年金が減額されます。65歳未満まで「毎月の報酬+年金の月額」=28万円以下、65歳以上は46万円以下であれば減額されません。年金が減額されない範囲で働くことも老後の働き方のひとつです。この在職老齢年金では支給停止の調整を行った後の年金額が減額分・増額分の計算対象となりますが、支給停止分がない人は影響を受けません。

「繰り上げ」請求するとデメリットもあります。また、「繰り下げ」請求する場合もいくつかの注意点があります。それぞれの条件を十分理解し、年金受給の選択を考えてみましょう。「繰り上げ」・「繰り下げ」受給開始には、年金事務所への申請が必要です。(繰り下げの増額については70歳まで自動更新されていきます)一度は「年金事務所」へ相談してみる価値はありそうです。老後の人生計画に合わせ、慎重に検討しましょう。

ファイナンシャル・プランナー 入野泰爾

入野 泰爾 (いりの やすじ)

ファイナンシャルプランナーCFP、FPデザインオフィス 代表
海外ロングスティアドバイザー(2012.8取得)、1種証券外務員(2013.2取得)、
年金アドバイザー(2013.11取得)、住宅ローンアドバイザー(2014.1取得)、
相続アドバイザー(2014.3取得)、日本FP協会会員、
神奈川県ファイナンシャルプランナーズ組合員

大学卒業後、大手食品メーカーで営業部門・総務部門を経て2012.2定年退職後、FPとして家計相談、セミナー講師、FP資格講師などで活動しております。前職時代の経験、また私自身の経験を通して現在の超高齢社会での長期間に渡る老後において安心・安全な生活を過ごせるようにいろいろな角度からアドバイスをして参ります。得意分野は金融資産運用含め、リタアメントプランを中心に展開しております。若年層から高齢者層の方々が自分の夢や希望を実現させるためにお役にたてれば幸いです。

詳細はこちら


l>