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ゆとりある老後生活に向け、税制優遇商品「個人年金保険」を活用しよう!

ゆとりある老後生活に向け、税制優遇商品「個人年金保険」を活用しよう!

人生100年!「下り坂」は長い!

長い人生、ひとり人立ちして社会人となってからは3つの「坂」があるといわれます。登山に例えれば、現役時代は企業で安定した収入を得ながら結婚・子育て・マイホーム購入・昇進等々で頑張る1つ目の坂を「上り坂」、リタイア後は公的年金等を受給しながら第2の人生を謳歌する2つ目の坂で「下り坂」、しかし、坂を上り切った頂上で体力を消耗していたら下り坂を謳歌できません。筋力(金力)を付け、下り坂を力強く進まなければなりません。そして3つ目は「まさか!」という「坂」です。誰しも順調な人生を生きていきたいと願っていますが…。

今や人生100年時代到来!リタイア後の「下り坂」は現役時代と同じくらい30年~40年の期間があるといえます。人口減、少子高齢化により、年金財政は厳しい環境となりつつあります。60歳定年後は収入減での継続雇用が65歳まで、今後は70歳までという政策も検討されています。現在、年金受給スタートは65歳からですが、今後は延長される可能性は十分に考えられます。無収入という期間が発生することも考慮しなければなりません。働ける間は働くことも老後資金の枯渇を防ぐ手段ですが、健康寿命も考えるといつまでも働けるとは限りません。

私的年金で老後を乗り切る!

リタイア後の「下り坂」の30年~40年を公的年金だけでの老後生活はままならない時代です。どうしても自助努力が必要です。無収入期間?を何でカバーするかです。OECD諸国のなかでドイツ・イギリス・アメリカ・カナダは確定拠出年金等の私的年金が充実し、所得代替率は60%~70%です。日本では公的年金のみで約36%ですのでやはり公的年金以外で備えをしなければなりません。ちなみに上記4ケ国も公的年金のみでの所得代替率は日本とほぼ同率です。
(所得代替率はOECD計算方式 出所:OECD(Pensions at a Glance 2013))

※所得代替率とは現役世代の手取り賃金(ボーナス含む)に対しての公的年金額の比率。
※欧米諸国の私的年金:ドイツ;リースター年金、アメリカ;401K・IRA、イギリス;ISA、カナダ;RPP・RRSP

そこで高齢期の私的な経済準備として、あらかじめ決めた年齢から年金が受け取れる個人年金保険で公的年金プラスαを老後生活資金のひとつとして考えてみましょう。

節税効果は?

個人年金保険に加入すると、生命保険や医療保険とは別枠で保険料控除を受けることができます。個人年金保険料控除とは、一定の条件を満たした個人年金保険の保険料を支払っていると、1年間の支払保険料の金額に応じて所得税や住民税が安くなります。所得税の計算において、課税所得が控除されて節税できる生命保険料控除のひとつです。

個人年金保険料控除の対象となる要件

・年金の受取人が保険料支払人(契約者)かその配偶者であること。
・年金の受取人が被保険者であること。
・保険料の払込期間が10年以上であること。
・年金の支払開始が60歳以上で、支払期間が10年以上あること。

確定年金タイプの個人年金保険に加入する事例から節税効果を見てみましょう。

30歳の会社員で60歳から毎年60万円の年金を10年間受け取れる個人年金保険に加入した場合
月額保険料:15,582円(総支払額は15,582円×30年間×12ケ月=5,609,520円)と設定します。

1年間の支払保険料額は186,984円で10万以上ですので、所得税控除額は40,000円、住民税控除額は28,000円となります。(平成24年1月1日よりの新制度適用契約)

節税効果

所得税率10%の場合(課税所得195万円超330万円以下の方)

税金の軽減額:所得税10% 4,000円+住民税10% 2,800円=6,800円(年間保険料に対する割合3.6%)
30年間軽減額204,000円

所得税率20%の場合(課税所得330万円超695万円以下の方)

税金の軽減額:所得税20% 8,000円+住民税10% 2,800円=10,800円(年間保険料に対する割合5.8%)
30年間軽減額324,000円

個人年金保険料控除により、所得税率10%の方で6,800円(支払保険料の3.6%)、所得税率20%の方で10,800円(支払保険料の5.8%)の節税効果を見込めます。見方をかえれば、3.6%、あるいは5.8%の利息がついたのと同じ効果です。30年間で20万円~30万円の節税効果となります。

ちなみに銀行定期預金金利は超低金利の0.01%程度です。

(参考)超低金利下の日本ですが、日本以上の金利で推移している「外貨建て個人年金」も販売されています。この商品も同様に個人年金保険控除は適応されます。「外貨建て個人年金」利回りは高いですが、為替変動リスクが予想され、最悪の場合、大きく元本を割り込んでしまう可能性があるということを十分理解した上で選択することを望みます。老後の備えとしては少々リスクがある商品といえます。

まとめ

年金にはその受取方法によって終身年金、確定年金、有期年金などの種類があり、また受取る額によっても定額型、逓増型、前厚型などのタイプがあります。ご自身のライフプランに基づいて選択しましょう。また、何らかの理由で解約しなければならないということがある場合、個人年金保険を途中で解約すると多くの場合で元本割れをして損をしてしまいます。できれば解約して損をするよりも年金を維持することを考えていただきたいと思います。

個人年金保険は長期にわたって保険料を支払っていく保険なので、トータルでは数10万円の節税効果が見込めます。貯蓄商品として低金利下で利回りは低くても、節税分の利益があると考えると、途中で解約さえしなければ、ローリスクで銀行預金よりもよいリターンを期待することも可能です。

したがって、定年になる年齢まで安定した収入が見込めて解約リスクがなく、株や投資信託、外貨などのリスク資産への投資はしたくないが、長期的に少しでもお金を増やしたいという人には適した商品といえます。公的年金に加えて、個人で老後に向けた資金準備が必要なことは確かなので、老後資金を蓄えるための手段のひとつとして検討する価値はあります。

次回は定年後からでもスタートできる資金形成として、節税効果のある「つみたてNISA」の紹介です。

ファイナンシャル・プランナー 入野泰爾

入野 泰爾 (いりの やすじ)

ファイナンシャルプランナーCFP、FPデザインオフィス 代表
海外ロングスティアドバイザー(2012.8取得)、1種証券外務員(2013.2取得)、
年金アドバイザー(2013.11取得)、住宅ローンアドバイザー(2014.1取得)、
相続アドバイザー(2014.3取得)、日本FP協会会員、
神奈川県ファイナンシャルプランナーズ組合員

大学卒業後、大手食品メーカーで営業部門・総務部門を経て2012.2定年退職後、FPとして家計相談、セミナー講師、FP資格講師などで活動しております。前職時代の経験、また私自身の経験を通して現在の超高齢社会での長期間に渡る老後において安心・安全な生活を過ごせるようにいろいろな角度からアドバイスをして参ります。得意分野は金融資産運用含め、リタアメントプランを中心に展開しております。若年層から高齢者層の方々が自分の夢や希望を実現させるためにお役にたてれば幸いです。

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