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ゆとりある老後生活に向け、税制優遇商品「財形貯蓄制度」を活用しよう!

ゆとりある老後生活に向け、税制優遇商品「財形貯蓄制度」を活用しよう!

知らず知らずのうちに…

低金利時代、銀行の預金の魅力も低下している今、メリットはさほどありませんが、コツコツ手堅く節税効果のある貯蓄方法に財形貯蓄制度があります。誰でも利用することはできませんが、勤務先に「財形貯蓄制度」があれば、金融機関と提携して、給料やボーナスから天引きでお金を貯める制度です。会社員や、公務員、勤務先が認めれば、契約社員、パートでも利用できます。

金利情勢によっては、定期預金よりも金利が高く付くこともあります。また利息非課税枠を利用できるという点ではお得感はあります。

給料天引きなので強制的に貯蓄され、知らず知らずのうちにお金が貯まっていたということになります。

この制度には「財形住宅貯蓄」(住宅購入)、「財形年金貯蓄」(老後資金)、「一般財形貯蓄」(教育費など)の3種類ありますが、今回は老後に備えて「財形年金貯蓄制度」を紹介します。

財形年金貯蓄の非課税制度を活用!

財形年金貯蓄とは55歳未満の勤労者が金融機関などと契約(1人1契約)を結んで5年以上の期間にわたって、定期的に賃金からの天引により、事業主を通じて積み立て、60歳以降の契約所定の時期から5~20年以内の期間にわたって年金として支払いを受けることを目的とした貯蓄のことです(保険型タイプでは終身年金としても可能です)。

非課税限度額の申告手続きは「財産形成非課税住宅・年金貯蓄申告書」に非課税限度額等を記載し、勤務先、取扱金融機関を経由して住所地の所轄税務署へ提出します。

財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄あわせて元利合計限度額550万円(財形年金貯蓄のうち、郵便貯金、生命保険又は損害保険の保険料、生命共済の共済掛金、簡易保険の掛金等に係るものにあっては払込ベースで限度額385万円)から生ずる利子等が非課税とされます。

注意点として、貯蓄型を選択された場合は、貯蓄が限度額を超えると残高全額から生じる利子は課税扱いとなります。申告を超えた残高から生じる利子に課税されるわけではありません。

また、財形年金貯蓄で利用できる商品には、元本保証でない商品も含まれておりますので、契約時には詳しく調べることが重要です。

財形年金貯蓄のメリット

1.元利合計550万までは非課税。(利息を丸ごと全額受け取れる)
2.給与天引きによる老後資金の強制積立。
3.金利情勢によって定期金利より高い金利が適用される場合がある。
4.年金の支払が終るまで非課税措置が継続され、老後生活の安定に役立ちます。
5.財形融資制度が利用できる。(手数料は無料)

・住宅取得費を借入する場合には、最高4,000万円、教育費は最高450万円まで低金利の公的融資の利用が可能です。

こんなときは非課税措置が適用されない!?

積立を中断したいとき

最後の給与からの天引による預入日から次の預入等が無いまま2年が経過すると、利子等に対する非課税措置が受けられなくなります。

※要件違反日以降に支払われる利子に対して一律分離課税(国税15%、地方税5%)が適用されます。

年金支払以外の目的での払い出し

口座解約 解約利子が課税+追徴課税

※追徴課税・・・・・要件違反日から5年(60か月)前に遡り、その日以降に非課税で支払われた利子の累計額に対して一律分離課税(国税15%、地方税5%)が適用され追徴されます。

(口座解約で発生する利子は一律分離課税となります。)

基本的には目的外での払出しは利子等課税の対象となります。

以下の理由による払出しの場合には、税務署から確認を受けることにより非課税で払出しをすることが可能です。(平成29年4月~)
・本人または生計を一にする親族が所有する家屋が災害等による被害を受けた場合
・本人または生計を一にする親族に対して支払った医療費の年間合計額が200万円を超えた場合
・本人が所得税法上の一定の寡婦又は寡夫に該当することとなった場合
・本人が所得税法上の特別障害者に該当することとなった場合
・本人が雇用保険の特定受給資格者または特定理由離職者に該当することとなった場合

別の財形商品に預け替えたいとき(転退職等の場合を除く)

保有期間に関わらず、任意に別の金融機関の財形商品に預け替えることはできません。

退職するとき

退職や、役員になるなど、勤労者でなくなった場合は、新たな積立はできなくなります。退職後一定期間が経過すると、課税扱いとなります。
(解約等については、その財形貯蓄契約における定めによります)

転職するとき

転職、出向によって勤務先が変わった場合、新たな勤務先で財形貯蓄制度が導入されていれば、所定の手続を行うことで、引き続き継続することができます。
新たな勤務先で同一金融機関の取扱いがない場合も、退職等の日から2年以内に別の金融機関に預け替えて積立を継続することができます。

海外転勤をするとき

転勤によって海外に1年以上居住することとなる場合は、出国中、非課税での積立を継続することはできません。この場合、出国する日までに所定の手続を行うことで、最大7年間、非課税措置を受けたまま積立を中断することができます。帰国後は、帰国の日から2ヶ月以内に所定の手続を行うことで、非課税での積立を再開できます。

育児休業等を取得するとき

産前・産後休業及び3歳未満の子に係る育児休業等を取得する場合は、育児休業等の開始前に所定の手続きを行い、育児休業等の終了後、契約上最初の積立を行うべき日(再開日。毎月払いの方であれば、育児休業等の終了後、最初の給与支払日)に積立を再開すれば、引き続き非課税での積立を継続できます。

まとめ

リスクある投資よりコツコツと知らず知らずのうちに貯まる方がいいと思っている方は、是非このメリットを生かし、上手に活用しましょう。確実に形成することが大切な老後資金づくりには欠かせません。

老後資金形成で様々な税制優遇金融商品を使いわける中、財形年金貯蓄の目標金額を非課税内で設定し、形成していくことを念頭におきましょう。

前回ご紹介の個人型確定拠出年金(iDeCo)のように、拠出時・運用時・給付時にそれぞれに税制優遇はありません。また、特別に利回りがいい訳でもありませんので老後資金の一部を確実につくるという気持ちで考えましょう。

次回は公的年金を補う存在として、節税事例を交えて「個人年金保険」のご紹介をします。

ファイナンシャル・プランナー 入野泰爾

入野 泰爾 (いりの やすじ)

ファイナンシャルプランナーCFP、FPデザインオフィス 代表
海外ロングスティアドバイザー(2012.8取得)、1種証券外務員(2013.2取得)、
年金アドバイザー(2013.11取得)、住宅ローンアドバイザー(2014.1取得)、
相続アドバイザー(2014.3取得)、日本FP協会会員、
神奈川県ファイナンシャルプランナーズ組合員

大学卒業後、大手食品メーカーで営業部門・総務部門を経て2012.2定年退職後、FPとして家計相談、セミナー講師、FP資格講師などで活動しております。前職時代の経験、また私自身の経験を通して現在の超高齢社会での長期間に渡る老後において安心・安全な生活を過ごせるようにいろいろな角度からアドバイスをして参ります。得意分野は金融資産運用含め、リタアメントプランを中心に展開しております。若年層から高齢者層の方々が自分の夢や希望を実現させるためにお役にたてれば幸いです。

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