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ランキングから見た老後に向けた「備え」その8-公的年金制度は人生の強い味方-

ランキングから見た老後に向けた「備え」その8~公的年金制度は人生の強い味方~

人生には3つの坂

年金制度といえば、過去には社会保険庁の記入漏れやここ最近では年金積立(GPIF)の一時的なマイナスでの問題など、また、若い方の中には年金保険料を支払っても将来年金は貰えるの?など、不安に思っている方もいるのではないでしょうか。そして、多くの方は老齢年金として、老後生活の糧と考えられているのではないでしょうか。

ところで、この長い人生には3つの坂があります。1つ目は上り坂、2つ目は下り坂、3つ目は“まさか”という坂があります。もしもの時・まさかの時にその備えが、いつ・どれだけ・いつまで必要なのか誰にも分かりません。こうした人生のリスクにすべての人が備えられるよう、公的年金制度は運営されています。

年金は老齢年金だけではありません。公的年金制度には3つのメリットが考えられます。

1.生涯にわたって受給できる
人生100年、長生きして生活資金がなくなるという事態に備えることができるのです。

2.物価変動や賃金上昇など、経済の変化に比較的強い
将来、急激なインフレや給与水準の上昇によって、貯蓄の価値がなくなってしまうかもしれません。また、緩やかな上昇であったとしても、次第に貯蓄の価値が低下してしまうことが起こり得ます。公的年金は生活を支えるために、その時々の経済状況に応じた実質的な価値が保障された給付を行っています。

3.重度の障害を負った時、一家の大黒柱が亡くなったときに対応できる
突然の事故や病気などで障害を負ってしまうかもしれません。また、一家の大黒柱が小さな子どもと配偶者を残して亡くなってしまう可能性もあります。

こうした事態に備えるため、障害を負った人や遺族への保障も行っています。

公的年金は、大きく「老齢」「障害」「死亡(遺族に対する保障)」という予測することができない人生のリスクに備え、すべての人が安心して暮らせるように国が制度化しています。

公的年金は人生の強い味方

年金制度は、しっかりと25年間保険料を支払い、受給基準を満たしていれば、一生涯の間、定まった金額をもらい続けることができるという安心を与えてくれる制度です(成29年8月1日からは、受給資格期間が10年以上あれば老齢年金を受け取ることができるようになります)。

ライフプランを考える場合、老後の25年ではいったいいくら必要なのか?総務省「家計調査年報」2015年では夫婦2人のモデルケースでは月平均の基本生活費は約28万円といわれます。なんと8,400万円(28万×12ヶ月×25年)かかります。大変大きな数字ですが、年金制度により、40年間の満額を受給できれば、65歳から受給を開始して、もし90歳まで生きるとするならば、約6,600万円もの年金を受給ができるということです。この額だけ見ると、サラリーマンの生涯年収が約2~3億円と言われる現代において、かなりの額になることがわかると思います。もしこの年金制度がなければと思うとゾッとします。

一生涯働き続けることは不可能です。年金は老後においては重要な収入源となります。超高齢化社会では長生きするのは当然です。長生きし、生活していくためにはどうしてもお金は必要です。また、同時に健康への不安も考えざるを得ません。

そこにはリスクも付きまといます。自立していればいいですが、介護状態になるとさらにお金が必要となってきます。老後のリスク対応のためにもしっかり年金保険料は支払うべきだとつくづく思います。

年金制度の安定維持を目指して

少子高齢化や経済成長の動向などで、年金財政への影響が考えられます。

国は今後、社会状況や経済状況が変わっていっても、十分な年金が受け取れるように、どんな制度にしていけばいいか考えています。

厚生労働省社会保障審議会年金部会において厚生年金保険法及び国民年金法の規定により、国民年金及び厚生年金の財政の現況及び見通しの作成、いわゆる財政検証を実施しています。

平成26年財政検証では「もし年金制度が変わったら、将来の姿はどうなるか」という視点に基づいて、新たな試算を行いました。いわゆる「オプション試算」と呼ばれ、3つの仕組について試算されましたので概要をご紹介します。この財政検証は少なくとも5年に1度は定期的に検証され、制度の持続可能性を担保しています。(前回は平成21年)

1.マクロ経済スライドの仕組の見直し
・物価や平均賃金の伸びが低い場合や下がっている場合においてもマクロ経済スライドがフルに発動する制度とした場合の試算
※マクロ経済スライドとは被保険者数の減少や平均余命の伸びなど社会情勢に合わせて、年金給付の水準を自動的に調整(給付の伸びを抑える)仕組です。

2.被用者保険の更なる適用拡大
・週20時間以上働き、かつ一定以上の収入(月5.8万円以上)がある短時間労働者(約220万人)
・一定の収入(月5.8万円以上)があるすべての被用者

3.保険料拠出期間の延長と受給開始年齢の選択制
・国民年金保険料納付期間 20歳~60歳の40年間 ⇒ 20歳~65歳の45年間へ
・退職年齢と受給開始年齢を65歳以降とした場合の試算

以上、3つのオプションのどれもが給付水準の上昇に有効であり、改善するという試算にはなっていますが、特定の受給者および加入者に負担をかけるものでもあることが分かりました。結果はあくまで試算ですが、制度改正を実施するかを含め、今後とも慎重な議論が続けられていくことになっています。今後の年金制度の改正にも注目していきましょう。

公的年金で、一生涯に渡る安心を是非、獲得していきましょう。人生の強い味方となります。

平成28年12月14日、第192回臨時国会において、「公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律」(平成28年法律第114号)が成立しました(年金改革法)。

下記、年金改革法の概要を参考にしていただければ幸いです。

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ファイナンシャル・プランナー 入野泰爾

入野 泰爾 (いりの やすじ)

ファイナンシャルプランナーCFP、FPデザインオフィス 代表
海外ロングスティアドバイザー(2012.8取得)、1種証券外務員(2013.2取得)、
年金アドバイザー(2013.11取得)、住宅ローンアドバイザー(2014.1取得)、
相続アドバイザー(2014.3取得)、日本FP協会会員、
神奈川県ファイナンシャルプランナーズ組合員

大学卒業後、大手食品メーカーで営業部門・総務部門を経て2012.2定年退職後、FPとして家計相談、セミナー講師、FP資格講師などで活動しております。前職時代の経験、また私自身の経験を通して現在の超高齢社会での長期間に渡る老後において安心・安全な生活を過ごせるようにいろいろな角度からアドバイスをして参ります。得意分野は金融資産運用含め、リタアメントプランを中心に展開しております。若年層から高齢者層の方々が自分の夢や希望を実現させるためにお役にたてれば幸いです。

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