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家で人生の最期を迎えるために

家で人生の最期を迎えるために

在宅現場で年々看取りの数が増えている

居住地である川崎市の死亡者数は、平成28年度10,555人で、昭和47年度3,705人と比較すると2倍以上です。

数年前に死亡診断書専門の医師が必要になるかもしれないと医師が冗談交じりに話していた事が頭をよぎりました。

川崎では、斎場待ちが1週間、遺体安置場所不足や引取り手のない遺骨問題などがおきています。

在宅で死亡すると警察がくるのか?

訪問先でよく聞かれる事ですが、往診医介入がない方が自宅で倒れ救急車到着時に死亡や、病院搬送後24時間以内死亡した場合に検視目的で警察が介入しています。

往診医が増え、社会的にも在宅看取りの認知できてきたのでみなさまご存知とは思いますが、在宅死亡時に往診医が継続してかかわり、事件性がなければ警察介入はありません。

病院で死ねない

様々な問題で患者数が増え、特に関東の病院はベッド数不足といわれ、地域包括ケアシステム推進により在宅へシフト、在宅での治療継続や看取りが増加しています。

当初、当事者や親族は在宅生活への不安が強く「病院から追い出された」などと不満を訴え、在宅生活に抵抗がありましたが、年数経過とともに受け入れが浸透してきました。

地域で同じような人が増えた事や、往診医増加により訴えを聞いてくれる医師の与える安心感、介護サービス事業者の成長も影響していると思われます。

家で人生の最期を迎える

昔は畳の上で死にたいという言葉がありましたが、今はほとんどが介護用ベッドの上です。

在宅看取りは、身体がきれいで表情が穏やかです。これは、初めて訪問看護師になった時に衝撃的な事でした。病院勤務の時代は、なんとしても救命との風潮だった事もあり、身体がむくみ内出血やテープ跡、皮膚の汚れなど在宅と比較できないくらい穏やかな最後ではありませんでした。

在宅の最期が穏やかなのは、家族が生前にその人らしく生活や治療を支援している成果だとおもいます。

往診医や訪問看護師は死期が近づいてくると、本人や親族の精神面や介護状況に合わせて不安の確認や助言、方針の確認、予測される状態変化について具体的な話をしていきます。

本人は家族に言えない事を医療従事者に打ち明けてくれることも精神面の安定につながっているのかもしれません。

家で人生の最期を迎える心構え(介護者がいる場合)

病状や家族構成、精神面により看取りのスタイルは様々です。

1.本人や同居家族、遠くの親族含め在宅で看取りの気持ちを同じにしておく
2.往診医へ急変時の連絡先を確認しておく(特に夜間や祭日)
3.本人含め葬儀の段取りを話し合っておく
4.財産など経済面を話し合っておく

1について
本人のどう過ごしたいかという気持ちが一番大事です。本人の意思表示ができなくなった時に決定権が親族となるため、仲の良さも含めて方向性を統一された方がいいです。
遠くの親族が急変時に本人や同居家族と違う主張を行いトラブルとなる事があります。

2について
急変が医師の診療時間以外に起きた場合、連絡がつかないと困りますよね。最近は、医師から「時間かかっても診察に来るから救急車呼ばないで、夜間と休日はここに電話して」と話していますが、たまに連絡先を教えてない場合があるので忘れずに聞いてください。

3について
意思表示ができる時期にどういう葬儀にしたいか聞いておき、確認できる状態でなければ葬儀社に相談しておくといいです。
生前の思いを聞きづらい場合、往診医や看護師にお願いするのもいいです、けっこう話してくれます。
みなさん死亡時は慌てます。それが夜間や祭日におきると、医師を呼び死亡診断書を書いてもらい、親族へ連絡し、葬儀社手配、葬儀費用用意など盛りだくさんの事が待ち受けています。
夏場は特にご遺体が傷まないように、死亡後は部屋を涼しくし、葬儀社へ対応をまかせたほうがいいです。

4について
葬儀費用や財産相続がもめないように話し合っておきましょう。
同居の親を亡くした場合、別居きょうだいと相続でもめたり、働き盛りの夫が末期癌で他界し経済的把握ができず困ったり、親が他界し障害のある子供又は配偶者が残されたりと様々な問題があります。

人生の最期も自分で決める

仕事柄、様々な人生の最期に関わっています。

生前、お寺へ連絡し生前に戒名(法名)を依頼、葬儀手配やお墓選び、親族への連絡段取りをされる方、病気の妻が在宅看取り希望しても夫の介護休暇取得ができず緩和ケア病棟へ入院という事もあり、同じ最期はありません。

今は親族が優良な支援者ですが、今後、家族構成の変化、増え続けるおひとりさま、介護保険や医療制度改正など状況が変化していくと思われ、親族支援者がいない方への支援や経済的問題への支援が課題となってくるでしょう。

問題はそれぞれ違いますので社会変化に慌てないように、ハッピーエンディングカードを使い、何が心配なのか確認して行動するのもいいですよ。

人生の最期も自分で是非決めてください。

原田 喜代乃

原田 喜代乃(はらだ・きよの)

訪問看護師

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