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ランキングから見た老後に向けた「備え」その6-介護対策はできてますか?-

ランキングから見た老後に向けた「備え」その6-介護対策はできてますか?-

人生100年時代の到来!

「高齢期に向けた備えに関する意識調査〔概要版〕(平成25年)」で、高齢期の健康に関して不安を感じることには「認知症になること」、「介護が必要になること」が半数以上の割合で意識されています。今回は、老後の不安で高齢期の健康に関して不安を感じることへの備えとして予測のつかない事態のひとつである「介護」について確認してみます。

2025年問題をご存知でしょうか? 団塊の世代(1947年~49年生まれ)の方の約800万人が75歳以上となり、社会保障費の拡大が必至となり、年金財政も厳しい状況が予測され、国全体が老いの世界になるという事です。日本の高齢化率(総人口における65歳以上の比率)は世界一と言われます。過去の高齢期間では現役リタイア後、10年程度でありましたが、現在は平均寿命も男性で80歳以上、女性は86歳以上となり約30年間といわれます。今後はまだまだ伸び、まさに人生100年時代です。

この長期に渡る高齢期には予測のつかない事態が発生する可能性があることを想定しなければならないでしょう。

介護や支援が必要な人は年々増加傾向

介護や支援を必要としている人はどのくらいいるのでしょうか。厚生労働省「介護保険事業状況報告(年報)」平成29年度1月末現在によると、要介護(要支援)認定者数は約629.2万人となり、年々増加傾向です。公的介護保険制度がスタートした2000年度と比べると、認定者数は3倍近く増えています。認定者を年齢別にみると、40~64歳の第2号被保険者が約13.3万人、65歳以上の第1号被保険者のうち60~74歳の人が約74.8万人、75歳以上の人が約540.8万人となっており、75歳以上の人が約85%以上を占めています。

公益財団法人生命保険文化センター平成28年9月の確定値によれば、要介護者の発生率は、40~64歳では0.3%、65~69歳では2.9%ですが、加齢とともに急速に高まり、80~84歳では28.4%、85歳以上では59.1%となっています。

介護費用は月平均約95万円!

介護費用の問題は、本人だけでなく、家族にも関わる点で影響が多岐にわたります。

生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」/平成27年度調査によると、過去3年間に介護経験がある人に、どのくらいの期間介護を行ったのかを聞いたところ、介護を行った期間は平均59.1カ月(4年11カ月)です。4年以上介護した割合も45%を超えています。その中で10年以上はなんと15.9%となってます。

また、介護に要した費用(公的介護保険サービスの自己負担費用を含む)は、住宅改修や介護用ベッドの購入などの一時費用の合計が平均80万円、月々の費用が平均7.9万円となっています。

これはあくまで平均値ですので個々の状況を踏まえ必要資金も異なってきます。平均値で試算しても初期費用含め、約550万は考えておかねばなりません。

公的介護保険の施設を活用

公的介護保険の施設サービスに指定されている施設は介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設、介護療養型医療施設の3つがあります。

要介護と認定された人のみが施設サービス費用の1割(65歳以上、一定以上所得者の自己負担割合は2割)を自己負担することで利用できます(施設での居住費、食費などは原則、全額自己負担)。

しかし、要支援の人は利用できず、また、要介護と認定されて入所の申込みをしても、施設によっては 待機期間が長くすぐには入所できない場合もあります。

注:介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)は、原則、要介護3以上が入所要件。厚生労働省プレスリリース平成29年3月27日 特別養護老人ホームの入所申込者(要介護3~5)の概況では29.5万人が待機中と発表されています(3年~4年待ち)。      

公的介護施設に入れない場合は公的介護保険の施設サービス対象外の施設に入居するということも必要となってきます。民間の運営する有料老人ホームなどに入居するということとなります。入居可能な介護度も運営会社によって幅があります。食事サービスだけを提供するようなものもありますので、必要に応じて選択しましょう。なお、費用は運営主体やサービス内容、地域などによってさまざまですが、一般的には有料老人ホームなどの民営施設の方が費用の負担は大きくなることもありますので事前に知っておくことが大事です。

介護施設の特徴

介護施設に入居するために必要な費用から、介護施設は大きく下記の通り3つに分類できます。

1.初期費用・月額費用ともに一定以上の自己負担が求められるものの、選択肢やオプションサービスが豊富な「有料老人ホーム」や「高齢者向け住宅」。

2.住居としての性格が強く自治体による助成などで比較的費用負担が抑えられている「軽費老人ホーム」や「地域密着型施設(グループホーム)」。ただし、認知症のグループホームは自治体による助成金があるところとないところもあります。また、すべてのグループホームが安いわけではありませんので、事前に調べる必要もあると思います。

3.初期費用が必要なく月額費用も抑えられて主に重度の要介護者を対象とする「介護保険施設」。

※個室と多床室で費用は異なります。多床室は費用が安いものの待機者が多いため、入居難易度は高くなります。

以上のように、経済的にも大きな支出が考えられるこの介護問題ですが、それぞれの状況で様々なスタイルが発生します。予測はつきません。老後は我々が生きていく上必ず通る道だという事は確実です。

老後の人生設計には必ず介護も検討され、豊かな人生を送られるよう準備されること切に思います。

老後の備えとして健康への不安も情報を得ることで、対策が打てます。そして少しでも安心に生活を送っていけます。

次回、その7では高齢期の健康の維持増進に備える上での不安は、現役世代の意識調査では4人に1人が「医療費がどのくらいかかるか、わからない」という結果です。リタイアメントプランで重要な医療費について考えます。介護対策費用もさることながら、高齢期の医療費は生活費に重くのしかかってくることも確かです。高齢期での医療費について考えてみます。

ファイナンシャル・プランナー 入野泰爾

入野 泰爾 (いりの やすじ)

ファイナンシャルプランナーCFP、FPデザインオフィス 代表
海外ロングスティアドバイザー(2012.8取得)、1種証券外務員(2013.2取得)、
年金アドバイザー(2013.11取得)、住宅ローンアドバイザー(2014.1取得)、
相続アドバイザー(2014.3取得)、日本FP協会会員、
神奈川県ファイナンシャルプランナーズ組合員

大学卒業後、大手食品メーカーで営業部門・総務部門を経て2012.2定年退職後、FPとして家計相談、セミナー講師、FP資格講師などで活動しております。前職時代の経験、また私自身の経験を通して現在の超高齢社会での長期間に渡る老後において安心・安全な生活を過ごせるようにいろいろな角度からアドバイスをして参ります。得意分野は金融資産運用含め、リタアメントプランを中心に展開しております。若年層から高齢者層の方々が自分の夢や希望を実現させるためにお役にたてれば幸いです。

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