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主婦も加入できる!確定拠出年金を上手に活用した老後資金づくり

主婦も加入できる!確定拠出年金を上手に活用した老後資金づくり

老後資金は1,600万円足りない!

退職後の資金計画の考え方には次の3つがあります。

1.公的年金(国民年金・老齢厚生年金など)。
2.退職金あるいは企業年金(確定拠出年金含む)。
3.自助努力。

一般的に経済的準備は定年退職後には難しくなります。現役時代に準備を完了させる必要があります。

人生の3大資金といわれ、現役世代にとって、住宅資金や教育資金と並んで重要であるのがこの老後資金です。

例えば60歳で退職、65歳で年金受給開始、90歳まで生きると仮定すると、老後の支出は約1億円(老夫婦2人での平均的標準生活費28万円×12ケ月×30年)、収入である公的年金約6,900万円(老夫婦2人平均23万円×12ケ月?30年)、退職一時金1,500万円で、10,000万円-(6,900万円+1,500万円)=1,600万円となり、収入より支出の方が多く、1,600万円の不足が発生します。この不足分を自助努力により蓄えていくことが重要となります。ちなみに退職後の老夫婦2人の最低生活費の平均額は23万円前後ですが、年金額も同様の数値となっています。公的年金だけでは最低生活水準という訳です(厚労省等での一般的標準数値を使用)。

個人型DCを全現役世代が利用可能に!

現在の「個人型確定拠出年金制度」(以下、個人型DC)加入者は自営業者で国民年金に加入している20歳以上60歳未満の方(第1号被保険者)・勤務先に企業年金がなく、企業型DCもない厚生年金に加入している60歳未満のサラリーマンなどの方(第2号被保険者)ですが、法改正により日本の現役世代のほぼ全員が個人型DC制度での老後資金づくりに取り組めるようになります。

2017年1月から専業主婦・パートや公務員・企業年金に加入している会社員の方も個人型DCが利用できるようになります。自分で掛金を決め、運用商品も金融機関から提示された中からいくつか選んで運用することができる年金です。自分の老後資金は自分で管理していくという自己責任型の制度です。毎月積立できる金額には限度額が設定されています。下限は5,000円、1,000円きざみで拠出できます。この制度を上手く活用し、老後資金づくりに取り組むことも自助努力のひとつになります。

個人型DCに加入するには、金融機関の窓口で手続きをします。また、郵送で申込資料を一式送ってもらい、それらの用紙に記入して返送することでも加入はできます。注意事項をよく読んで手続きを行ってください。

「個人型DC」のメリット・デメリット

加入に際しては下記の様なメリット・デメリットがあります。十分吟味、納得された上で加入されますよう検討ください。

メリット

  • ・自分で運用商品を選択することができる。
  • ・支払った掛金全額が所得控除の対象になる。
  • ・運用益は非課税。
  • ・一括受取なら退職所得控除も使える。
  • ・転職しても持ち運びができる(転職先に確定拠出年金が導入されている場合)。
  • デメリット⇒(リスク軽減方法)

  • ・投資リスクは本人が負う。⇒一部を運用商品、多くは元本確保型にする。
  • ・将来の年金額は運用次第となるため確定していない。⇒一部を運用商品、多くは元本確保型にする。
  • ・原則60才まで引き出しができない。⇒公的年金の上乗せと考える。
  • ・管理コストを選択する知識が必要になる(元本変動型の場合)。⇒低コストの金融機関を選ぶ。
  • ・運用指図者になってもコストが掛かる。
  • ・年金(老齢給付金)が振込まれるたびに432円の手数料が掛かる。⇒年4回を年一回へ変更する。
  • パート収入の場合をモデルケースで検証!

    専業主婦やパート社員の方の掛金は年間27万6千円が限度ですが、この金額まで所得控除の対象になります。年間103万円までにしている方は、所得税はありません。でも、100万円超なら住民税(市民税と都道府県民税)はかかります。100万円超~103万円までの方は所得税=かからない、住民税=かかる。103万円超は、所得税=かかる、住民税=かかる。

    ケース1 扶養の範囲内でパートをしている主婦が個人型DCに加入した場合。

    103万円(収入)-65万円(給与所得控除)-33万円(住民税の基礎控除)=5万円。
    5万円×10%=5,000円(所得割)+住民税均等割の標準税率は5,000円=1万円-2,500円(調整金額)。
    住民税:年間7,500円。 所得税:0円。

    個人型DCに加入し、掛金を下限の毎月5,000円(年間6万円)とした場合
    103万円-65万円-6万円-33万円=-1万円です。

    したがって住民税の所得割部分はなくなり、市民税も都道府県民税のどちらも均等割りだけになります。

    節税額は2,500円(7,500円-5,000円)となります。仮に30歳で加入した場合の試算は
    2,500円×30=75,000円の節税となります。老後資金は60,000円×30年=180万円となります。
    なお、この180万には退職所得控除が適用され、税金はかかりません(一括受取)。

    ケース2 ケース1に毎月2万円の収入増で年間収入127万円のパート収入で加入した場合。

    127万円(収入)-65万円(給与所得控除)-33万円(住民税の基礎控除)=29万円。
    29万円×10%=29,000円(所得割)+住民税均等割は標準税率5,000円=34,000円。
    住民税:34,000円-2,500円(調整金額)= 31,500円。
    127万円-65万円(所得控除)-38万円(基礎控除)=24万円。 
    所得税:24万円×5%=12,000円+252円(復興特別所得税2.1%)=12,252円(100円未満切り捨て)。
    所得税12,200円+住民税31,500円=43,700円の税金になります。

    個人型DCに加入し、掛金を毎月2万円(年間24万円)とした場合(収入増分を掛金にする)。
    127万円-65万円(所得控除)-24万円(個人型DC掛金)-33万円(基礎控除)=5万円。
    住民税:年間7,500円。
    所得税:127万円-65万円(給与所得控除)-24万円(個人型)-38万円(基礎控除)=0。

    月2万円の収入を増やすと、所得税と住民税で年間43,700円の税金になります。でも、個人型DCに加入し、毎月2万円の拠出をすると、住民税は7,500円、所得税は0円となります。結局年収103万円の税金と同じになり、年間24万円貯めることができます。24万円×30年間=720万の老後資金がたまります。一括で受け取れば非課税になります(退職所得控除の適用:40万?20年+70万円×10年=1500万円まで課税なし)。

    注) 上記試算には口座維持管理、運用管理等の手数料は考慮されておりません。

    個人型DCが翌年1月からパートの方でも始めることができるので、加入により、節税ができ、老後資金作りには役立ちます。目先の貯蓄目的ではなく、あくまでも長期での老後資金作りが目的と考えてください。

    ファイナンシャル・プランナー 入野泰爾

    入野 泰爾 (いりの やすじ)

    ファイナンシャルプランナーCFP、FPデザインオフィス 代表
    海外ロングスティアドバイザー(2012.8取得)、1種証券外務員(2013.2取得)、
    年金アドバイザー(2013.11取得)、住宅ローンアドバイザー(2014.1取得)、
    相続アドバイザー(2014.3取得)、日本FP協会会員、
    神奈川県ファイナンシャルプランナーズ組合員

    大学卒業後、大手食品メーカーで営業部門・総務部門を経て2012.2定年退職後、FPとして家計相談、セミナー講師、FP資格講師などで活動しております。前職時代の経験、また私自身の経験を通して現在の超高齢社会での長期間に渡る老後において安心・安全な生活を過ごせるようにいろいろな角度からアドバイスをして参ります。得意分野は金融資産運用含め、リタアメントプランを中心に展開しております。若年層から高齢者層の方々が自分の夢や希望を実現させるためにお役にたてれば幸いです。

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