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確定拠出年金法の改正内容

確定拠出年金法の改正内容

過日、「確定拠出年金法の改正内容と意義」というテーマでDC協会理事長の達橋春夫氏から話を伺った。主に改正内容について整理してみた。

確定拠出年金の現状

確定拠出年金は、平成10年ころから構想され、平成11年から厚生省で検討され始めたもの。企業型が平成13年10月、個人型は翌14年1月にスタート。
企業型は企業年金や退職金の機能なのに、退職時支給でなくしたことで別の問題が。

企業型の件数は急増し、14年年度末で361社だったものが、平成17年度末には6664社、20年には11706社と急増。平成22年度末には14628社に。
24年3月末で適格退職年金が廃止されることから、その移行分も含まれているが、新規で始める企業も多い。また、厚生年金基金で代行部分の赤字を抱える企業が基金を解散し、移行する例も少なくない。ちなみに、基金の解散時に代行部分の不足分の分割納付の特例があり、解散後5年または10年で返納すればよいことになっている。

確定拠出年金法の改正点

今回の改正は、平成23年8月4日に衆議院本会議で可決し、10日に公布・施行されたもので、改正点は次の6点。

<1>加入資格年齢の引上げ(平成23年8月から2年半以内)
・60歳以上65歳までで企業型年金加入者資格を喪失することを規約で定められることに
・60歳以降も厚生年金保険の被保険者であれば、引き続き企業型確定拠出年金加入者となることができる
・拠出限度額は、企業年金なしで5.1万円/月、企業年金ありで2.55万円
・60歳以降は通算加入者等期間には算入しない

<2>企業型加入者の掛金拠出が可能に!(平成24年1月から)
・企業型の加入者も、自分で掛け金を出すことが可能になり、その分が所得控除の対象に(小規模企業共済等掛金控除)。
・加入者掛け金額は事業主掛け金額を超えない範囲で加入者自身が決める。拠出限度額は
・事業主は給与から加入者掛金を控除できる。

<3>投資教育の継続的実施(平成23年8月から)
・実態は加入時教育のみで済ます事業主が5割。改正で、事業者が加入者の運用の指図に資する必要な教育は継続的に実施することが条文に加わった。しかし、投資顧問でない限り特定商品の指図の推奨や助言はできず、客観的な説明に終始してしまうのも問題点の1つとされている。

<4>自動移換者の給付
・企業型の加入者資格を喪失した場合、6か月以内にほかの企業型か個人型に移換の手続きを取る必要があるが、手続きをしないで放置すると国民年金基金に「自動移換」される。自動移換されると、運用も給付もできず、問題になっていたが、今後は70歳到達した者には連合会の裁定で老齢給付金を支給できることに。

<5>脱退一時金の支給要件の緩和
・企業型確定拠出年金は中途脱退が原則不可だったが、企業型加入者資格を喪失時に資産が少額、加入期間短期の場合のみ認められることに。具体的には、企業型資格喪失後に個人型運用指図者となって2年以上経過した場合、しかも資産25万円以下の場合に脱退可能に。

<6>住基ネットからの加入者住所情報の取得
・加入者等の住所が不明で給付ができない場合の対処

ファイナンシャル・プランナー 豊田眞弓

豊田 眞弓 (とよだ まゆみ)

ファイナンシャルプランナー(AFP)、住宅ローンアドバイザー、ファミリーリスクコンサルタント FPラウンジ ばっくすてーじ代表
親の介護・相続と自分の老後に備える.com主宰

94年より独立系FPとして個人相談、寄稿・監修、講師等に従事。相談実績約2500件。「人生転機のマネー術」「家計のリスク管理」を大テーマに置いている。

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