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親の家の生前整理で、子がやっておきたいこれだけのこと

2015年7月24日に開催したセミナー「自分と親の、家とお金の生前整理をしましょう!」から、親の家の整理についてまとめました。

整理できない実家。その理由とは?

実家のどの部屋も散らかり放題で、何とかスッキリさせてくれないだろうかと頭を悩ませている子世代がいらっしゃるでしょう。親世代が部屋をスッキリできないのには理由があります。 部屋の整理(身の周りから不要なモノを排除すること)に必要な3つの「力」が衰えているからです。その力とは、必要・不要、使う・使わないを瞬時に判別する「判断力」、不要なモノを捨てるかどうかを決める「決断力」、そして、こういった作業を行う「行動力」です。 子どもたちが家を出て部屋が余っている、つまり、モノを置く・しまい込む空間がある、いつ買い物に行けなくなるか不安で余分に買い込む習性があることも、整理できない理由にあげられます。それより何より、親世代はモノのない時代に生まれ育っているので、「もったいない」意識が強くて捨てられないのが最大の理由と言えるかもしれません。

整理できなくても、やっておきたい2つのこと

親の家が整理できないのは致し方ないとして、次の2つのことだけはやってください。

1.生活動線上の危険を取り除く

玄関アプローチ、玄関、寝室、トイレ、お風呂場、洗濯物干場、昼間いる居間――親が生活する上で必ず利用する場所とその経路上の危険物と危険な状態を改善します。家の中で転倒して要介護にならないためにとても重要なことです。モノが崩れそう、落ちてきそう、出っ張っていてつまずきそうなところを重点的に改善します。ちょっとした段差も高齢者にとっては危険です。できるだけ段差をなくすようにしてください。

親は自らの意思で生活動線の危険を取り除く作業をしたわけではないので、リバウンドする可能性大です。定期的に顔を出して、リバウンドしていたら元に戻すようにしてください。

2.入院に必要なモノは近いところにしまっておく

高齢になると、緊急入院することもあります。そんなとき、探しモノで時間を取られないよう、必要なモノのしまい場所を聞いておきましょう。そして、それらがアチコチに分散しているようなら、近い場所にしまい直しておくことをおすすめします。

入院に必要にモノは、病院で異なるでしょうけれど、健康保険証、介護保険証、お薬手帳、飲んでいる薬、現金(入院中のちょっとした買い物用)、寝具、下着類、羽織るモノ、スリッパ、タオル(大小)、洗面道具、コップなど。緊急入院した先が、かかりつけではない場合は、入院歴や既往症、飲んでいる薬を聞かれます。飲んでいる薬はお薬手帳を見てもらうとして、入院歴と既往症は聞き取って一覧表にしておきましょう。お薬手帳にはさんでおけば、しまい忘れを防げます。

整理を始めるために

親は家の整理はできないとはいえ、亡くなった後は親の持ち物の大半はゴミとして捨てることになる話をして、できるだけ整理を促すことは大切です。体力的にきついということであれば、一緒に作業をするといいでしょう。ただ、昔話とグチには根気よく付き合う必要がありそうです。

子に作業をしてもらうことを嫌う親もいるでしょうし、子は忙しくて整理作業を行う時間を取れないこともあります。そんなときは、専門業者やシルバー人材センターなどを頼む手もあります。

親が亡くなるまで整理できない場合は遺品整理になります。親の家を処分する、賃貸住まいの場合は、速やかに不用品を処分しなければなりません。この場合、専門業者を頼むのが手っ取り早い方法です。もちろん、お金をかけないために、子世代の家族総出で処分作業をしてもかまいません。

ファイナンシャル・プランナー 小川千尋

小川 千尋(おがわ ちひろ)

ファイナンシャルプランナー(AFP)、終活コンサルタント、整理収納アドバイザー2級、エディター&ライター、ハッピーエンディングプランナー
1994年AFP資格取得。独立系ファイナンシャル・プランナーとして、主にマネー誌、一般誌などのマネー記事の編集・執筆・監修・セミナー講師などで活動。オールアバウトのガイドも務めている。親の生命保険に詳しい。

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