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高齢期のメンタルヘルス

高齢期のメンタルヘルス

介護というと身体の介助に目が向けられがちですが、高齢者の心の支援も忘れてはなりません。高齢期の心の健康について考えていきましょう。

身体の変化に伴う心の変化

身体面では、加齢により外見や体の状態に変化が起きます。しわ、シミの増加、頭髪の減少、白髪、体型、姿勢の変化や運動機能の低下、体調を崩しやすくなるなどの変化を自覚するようになります。その結果、外出や人と会うのがおっくうになり、外出の頻度が減り、閉じこもりになりやすくなります。

また、人間には五感(視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚)という機能が備わっていますが、高齢期は特に視覚や聴覚の変化の影響が大きいと言われています。
いわゆる老眼などの視力低下や、明るさや色合い、視野に関しての調整や見たものに対しての判断力の低下などが見られます。
聴覚の変化としては、高い音や小さい音が聞き取りにくく、音の速度が速いと聞き分けにくくなります。
そのため、段差、危険物、信号、標識などの見落としでのケガや事故にあったり、聞き取りにくいことによりコミュニケーションがうまく取れなかったりといった、生活上の不自由さが生じます。

このような変化により、不安や焦り、不全感といった感情が生じやすくなります。
周りと上手くコミュニケーションがとりにくくなると、対人関係の悪化や疎外感、孤立につながることがあります。
さらに、こうした経験が重なると、対人行動への積極性や生活意欲の低下につながりやすくなります。

高齢期のうつ病

高齢者のうつ病は10~30%以上と言われています。原因はさまざまですが、高齢者の場合は心理、社会的要素が大きいとされています。
高齢期では、衰退、喪失、縮小という傾向があり、定年、引退、世代交代、身近な人の死などを契機にしばしば発病します。
高齢期のうつ病の症状としては、頭痛、肩こり、腰痛、食欲不振、頻尿、便秘などの身体症状が現れ、抑うつ気分が目立たないこともあります。また、気分障害や認知症と間違えられやすい場合もあります。
治療には抗うつ薬やカウンセリングなどがあります。

いきいきと暮らすために

高齢期は身体や心に様々な変化が訪れる時期と言えます。若ければ難なく対処出来たこともなかなかうまくいかなくなることもあります。
また、定年退職や環境の変化により、無力感や疎外感を感じることもあるかもしれません。
それでも積極的に外に出てウォーキングや階段昇降をしたり、様々なところに出かけたり、人と会って会話を楽しみましょう。
面白そうだなと思ったら、すぐに挑戦してみようという前向きな気持ちが大切です。何事もポジティブにとらえ実行することで脳は活性化します。自分に合わなければやめればいいのです。

何か、楽しいから続けられる事が見つかるかもしれません。趣味やスポーツや料理、ボランティアや社会貢献などフィールドは広がっています。
「満足感」「充実感」「達成感」「存在感」「使命感」などが感じられたら、それは“生きがい„といえるでしょう。

松尾 孝子

松尾 孝子(まつお たかこ)

ユアライフステージ代表、 ファイナンシャルプランナー(AFP)、看護師 介護支援専門員(ケアマネジャー)、心理相談員、 社会福祉主事任用 シニアライフアドバイザー 、所属学会:交流分析学会 日本抗加齢医学会学会

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