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年末年始を口実に親と関わろう

年末年始を口実に親と関わろう

離れて暮らす親のことは気にはなっても、なかなか連絡することや訪問することがない人もいると思います。そのような方にとって、年末年始は親と会話をする絶好のチャンスです。

今回は、年末年始におすすめしたい親との関わりを2つお伝えしたいと思います。
1つ目は、親の身体の状況や現在の暮らしぶりの確認
2つ目は、消費者トラブルについて、実際に被害にあっていないか聞いたり、家の中を調べてみる

親の身体の状況や現在の暮らしぶりを確認しましょう

高齢者の冬は、危険なことがいろいろとあります。高血圧の人は、部屋と浴室の温度差が原因で倒れることがあります。また、寝床からトイレに行って、トイレ内で倒れることもあります。それから、道路の凍結による転倒の危険性もありますね。インフルエンザやノロウイルスの心配もあります。入浴中の急激な血圧の変化で突然死を招くこともありえます。夏はシャワーで済ませていた人が冬は浴槽に入ることが増えるという人もいるでしょう。風邪から肺炎になることもあります。

しばらく会っていない、話をしていない場合、最近の体調の変化や状況を聞いておきましょう。本当は、電話よりも実際に会って顔色を見たり、なにげないしぐさや会話の中から、以前と違うことはないか、様子をみたいところです。さらに、親の家に泊まって、浴室や脱衣所、夜のトイレの温度なども確認しておくことができれば、温度差による事故や病気などを防ぐ対策を立てることができるでしょう。

会って話をすることができたときには、万一何かのときに必要だからと、親に連絡帳のようなものを書いておいてほしいと話してみましょう。何かあったときに、どこに何があるのか全くわからず、子どもが困ることがよくあります。親の通帳や印鑑の場所、加入している保険、使っている銀行などを教えてもらうことで、子どもも安心できる材料が増えていきます。

また、親に電話をして誰も出ないときは、外出中ということも考えられますが、倒れていることもありうるので、時間をあけずに何回か電話をしてみましょう。

消費者トラブルに巻き込まれていないかどうか確認しましょう

高齢者を狙った悪質な勧誘が増えています。全国の消費生活センターへの相談や苦情などの情報を収集しているPIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)によると、2013年の高齢者の消費生活に関する相談件数は、2008年からの5年間で62.8%増えており、高齢者の人口の伸び(13%増)よりも大きくなっているのが現状です。

具体的には、電話勧誘販売の相談が増加しています。例えば、本当は注文していない商品にもかかわらず、「先日注文のあった商品が用意できましたので、これから送ります」と電話で注文をしたかのように思わせて、商品を送りつけてくる「健康食品の送り付け商法」の被害が増えています。また、いくつかの業者が登場して、実体が明らかでない金融商品を電話やパンフレットなどを使って、本当にそれを買うことがもうかることだと思い込ませるような手口の「劇場型勧誘」のトラブルも多くあります。さらに、通信販売(テレビショッピングやインターネットを使った買物など)の相談件数も増えています。

総務省の「平成24年通信利用動向調査」によると、60~64歳のインターネット利用率は、71.8%。65~69歳は、62.7%、70歳代は48.7%、80歳以上は25.7%。昔と違い、インターネットを使う親世代が増えています。返品のルールやクーリングオフができるのかどうかということをきちんと確認せずに、商品を購入することもありますので、買ったあとで「しまった」と思うことが増えているのかもしれません。

消費生活センターへ相談した方が、商品などの契約をした金額の平均は、2013年度は約168万円。既に支払った金額で約87万円となっており、65歳未満の人と比べて高齢者は金額が大きくなっています。

PIO-NETによると、実際に、被害・トラブルを受けた経験がある人に、どこかに相談したり、伝えたりしたかを聞いた調査では、「誰にも相談していない」と回答した人は、女性が50.0%、男性が57.4%。

相談した理由は、「相談すれば解決すると思ったから」が42.7%、「どうすればよいか分からなかった」が25.2%。相談しなかった理由としては「相談しても仕方ないと思った」が55.8%と最も多くなっていました。

自分の親は大丈夫と過信しないように

自分は大丈夫と思っている人が被害にあったりすることもあります。そして、被害にあっていることすら気づかずにいる人もいます。仮に気づいても、子どもには言えないということもありえます。それは、定期的に連絡をしている親子関係でも、話したら怒られるのではないかと思い、言い出せないこともあるでしょう。誰でも怒られるのは嫌です。年をとった親は子どもに怒られるとショックを受けたり、しゅんとなったりして、自分に自信がなくなってしまう人もいます。

親の住まいに行ったときは、押入れの中や居間、さらに物置などを見て、以前にはなかったものや最近買ったのかなと思うものがあれば、いつどのようなきっかけで買ったのか聞いてきましょう。

被害にあわないことが一番ですが、被害にあったときの対処方法を知っておくことはとても重要です。PIO-NETの調査にあるように、どこに相談したらいいのかわからないという人も多いのです。気になることを家族に相談してもしなくても、消費生活センターという相談場所があることを親には知っておいてもらうことが大切ではないでしょうか。そして、一緒に対応していく姿勢を見せることも子どもとして必要だと思います。

それから、親夫婦が一緒に暮らしているから安心とはいえません。夫や妻に内緒で買物をすることもあるでしょう。また、トラブルにあったことや失敗したことを夫や妻には恥ずかしいから言えないということもあるでしょう。民生委員や介護ヘルパーさんが、親の変化に気づいて、対応してくれることもありますが、子どもが関わることも親の支えになることがあると思います。

ふだん親との関わりがあまりなくても、年末年始は連絡がとりやすい時期です。会話をするチャンス。会うチャンス。何かあったときに後悔しないためにも、自分から動くことが必要ではないかと思います。ぜひ年末年始を親との関わりの機会にしていただきたいと思います。

※消費生活に関する相談窓口 消費者ホットライン 電話番号 188番(局番なし)

ファイナンシャル・プランナー 佐川京子

佐川 京子(さがわ きょうこ)

佐川京子行政書士事務所 代表
行政書士、ファイナンシャルプランナー
終活アドバイザー、福祉住環境コーディネーター

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