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死亡保険金だれがもらうの?

死亡保険金だれがもらうの?

ご主人を亡くされた、35歳のミナコさん。ご主人のご両親と話し合いの結果、ご主人の財産は全て義父が受取り、ミナコさんは籍を抜いて実家に戻ることに。。。
しかしその後、ミナコさんを受取人にした生命保険があることが発覚!

この場合、籍を抜いたミナコさんは保険金を受取ることができるのか?それとも全ての財産をもらうことになっている義父のものになるのか?どっちだと思いますか?

ミナコ「亡くなった主人が私を受取人にした生命保険を遺してくれていました。夫の気持ちがうれしくて、この保険だけは受取りたいと思っているのですが…」

税理士「その生命保険の受取人は、ミナコさんとなっていたんですね? もし『法定相続人』となっていれば、ご両親とミナコさんで受取ることになりますが」

ミナコ「受取人は確かに私でした。でも、先日遺産分割協議で、財産は全て義父が受取ると決めてしまったので、この保険も義父が受取ることになるのでしょうか?」

税理士「死亡保険金は、受取人固有の財産で、相続財産ではありません。ですから、遺産分割協議とは関係ないんですよ。受取人がミナコさんとなっているのなら、これはミナコさんの財産ということになります。」

ミナコ「そうですか!生命保険も相続財産かと思っていました。でも、お義父さん納得してくれるかしら・・・」

税理士「もし、この保険をお義父さんが受取ると、ケイコさんからお義父さんへの贈与となり、お義父さんが高額な贈与税を支払うことになりますよ。」

ミナコ「それを聞けば、義父も納得するかもしれないです。ところで、死亡保険金を受取った場合、税金はかかるのですか?」

税理士「ええ、この場合の死亡保険金は、税法上、相続税の対象になります。ただし、相続人が生命保険を受取る場合には一定の非課税枠があります(注1)」

ミナコ「私はもう籍を抜いてしまっているので、相続人にはなりませんよね?」

税理士「いいえ。相続人かどうかは、ご主人が亡くなった時点で判断するので、ミナコさんはれっきとした相続人ですよ。ちなみに、ご主人の場合、法定相続人はご両親とミナコさんの3人ですから、1千500万円までは相続税がかかりません」

ミナコ「保険金は2千万円だから、500万円には相続税がかかるということですか?」

税理士「相続税がかかるというよりは、500万円が相続財産となるということです。実際に相続税がかかるかどうかは、現状の税制では、ご主人の財産が基礎控除額を超えるかどうかによります(注2)」

ミナコ「主人の財産はごくわずかですから、相続税はかからないとうことですね」

税理士「そうですね。相続財産が基礎控除額以下であれば、相続税はかかりません」

ミナコ「安心しました。帰って義父と話し合ってみます。そういえば、義父が保険料を払って主人にかけていた保険があると言っていましたが、これも相続財産になるんですか?」

税理士「いいえ、その場合は相続財産になりません。死亡保険金は、保険料負担者と保険金受取人の関係によってかかる税金が異なります。ややこしいかもしれませんが、保険料を払った人から保険金をもらった、と考えれば簡単なんですよ(※表)」

ミナコ「なるほど!私の場合は、亡くなった夫が掛けた保険を私が受取るので、相続税ですね」

税理士「はい。自分で掛けた保険を自分でもらえば所得税。亡くなった人以外の人が掛けた保険をもらえば贈与税となります」

ミナコ「義父の場合は、自分で掛けた保険を自分でもらうのだから所得税の対象になるんですね。」

税理士「そのとおりです。税金の種類によって、払う税金の額も大きく異なります。保険を掛けるときは、税金にも注意しておかなければなりませんね。」

(注1)生命保険の非課税枠=(500万円×法定相続人の数)

(注2)相続税の基礎控除額(5,000万円+1,000万円×法定相続人の数)

板倉京

板倉京

税理士


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